「ハリスVSトランプ」米大統領選「経済政策」比較...どちらが勝つと世界と日本にプラス? 最悪シナリオは米国債のデフォルト(2)/第一生命経済研究所・前田和馬さん

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「気候変動はウソっぱち」という共和党議員と支持者

――トランプ氏とハリス氏とでは、環境問題の政策に大きな違いがありますね。トランプ氏はパリ協定から脱退すると主張、石油や石炭などの化石燃料の生産を加速すると宣言しています。

一方、ハリス氏は、過去の発言では気候変動対策に取り組んでいるバイデン大統領以上に環境問題に積極的と言われていますが。

前田和馬さん トランプ氏は「原油を掘りまくって、ガソリン価格を下げること」をアピールしています。一部の共和党議員や支持者は気候変動問題をウソっぱちだと考えているうえ、ガソリンが安くなることはクルマ社会の米国民にとって非常に嬉しいことです。

注目されるのはロシア・ウクライナの戦争の動向です。トランプ氏は「電話一本で戦争をやめさせる」と言っており、仮に停戦となりロシアに対する欧米の経済制裁が緩和されれば、先進諸国の原油調達環境は改善するでしょう。ロシアは世界の原油生産の1割を占めていますが、現在は欧米に売れないので中国やインドに割安に販売しています。 欧米諸国が原油を割安に仕入れられれば、先進国経済にはプラスになります。しかし、本当に戦争をやめさせられるのか、その道筋は非常に不確かです。

――しかし、原油価格が下がってもパリ協定から離脱されては、困りますよね。

前田和馬さん 2016年にトランプ氏が離脱、20年にバイデン氏が復帰、そして24年に再離脱となれば、4年毎にコロコロ政府の方針が変わることになります。企業は気候変動対策を今後10~20年のスパンで考えていますので、今後何を信じて計画を立てればよいのか、非常に混乱すると思います。
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