「高気圧から乾燥した空気が流れ込んだのが主な原因」
この点について、気象庁のアジア太平洋気象防災センターの担当者は8月30日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話した。
「確かに、近くに高い山があると、その影響がなかったとは言えないと思います。しかし、大きな原因については、別のところにあると見ています。大陸にある高気圧の縁に乾燥域があって、台風の北西側からその乾燥した空気が流れ込んでいました。このため、積乱雲の発達が抑えられ、台風は、急速に衰えていったと思われます。こうした空気が台風の中心に入ると、台風が一気に崩れていきます」
台風10号は、いずれ乾燥域の影響を受けると予測していたが、予想より影響が早かったという。
17年の台風5号についても、屋久島の影響がないとは言えないものの、大きな原因は別にあるとみているとした。
「海上をゆっくりと進んだため、長時間にわたって海面がかき混ぜられ、海水温がかなり低下していました。このため、台風は、段々と衰弱していったと考えられます。確かに、屋久島の上を通っていますが、その影響で極端に弱まったとは言えない状況でした」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)