人気漫画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」(通称デデデデ)が、イグ・ノーベル賞も受賞した宮下芳明・明治大学教授のXアカウント(@HomeiMiyashita)のアイコンを無断で使っているとX上で指摘された。
事態を把握した宮下教授も、「許可したおぼえもない」とリプライで明かし、困惑している様子だ。漫画の発行元、小学館の編集部は、資料画像が残ってしまった「作業上の確認漏れ」だったと取材に説明し、「今後しかるべき対応を行う予定です」と明かした。
宮下芳明教授「許可したおぼえもないです」
デデデデは、東京上空に巨大な宇宙船「母艦」が襲来し、この世の終わりのような状況が日常化する中で、主人公の女子高生らが青春を過ごす、といったストーリーだ。2014年から「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載が始まり、22年に12巻の刊行で完結している。24年には、アニメ映画化もされた。
宮下教授のアイコンとの酷似は、24年8月24日にX上で指摘された。
その投稿では、第11巻の62ページで描かれたXアイコンが、宮下教授の顔が描かれたイラストのアイコンそのままだったとした。宮下教授と原作者の浅野いにおさんが知り合いか、勝手にアイコンをトレースしたか、ではないかと疑問を呈した。
漫画内のアイコンは、「四十路たそがれ」のアカウント名になっており、その投稿がリツイート(リポスト)される形で紹介されていた。「四十路たそがれ」の投稿では、自らを映像の解析を専門としているとし、漫画で登場した総理の会見についてフェイク動画だとして、政府が捏造したなどと書かれていた。
X上の指摘について、宮下教授は26日、自らのXでこの投稿を引用して、次のように報告した。
「本件、教えていただきありがとうございます。全く知りませんでしたし、許可したおぼえもないです」
宮下教授は、総合数理学部の先端メディアサイエンス学科長を務めており、CG映像などを制作しているほか、電流で味を変える「電気味覚」の研究でも知られている。23年には、イグ・ノーベル賞の栄養学賞を受賞した。
「レイアウトの参考としてまず資料画像を作画画面上に配置」
デデデデの漫画での指摘について、小学館のスピリッツ編集部は8月27日、J-CASTニュースの取材に対し、広報室を通して次のように説明した。
「デジタルで作画を行う浅野いにお先生は、該当箇所の原稿について、レイアウトの参考としてまず資料画像を作画画面上に配置し、それを後に別のものに置き換えるという工程で作業を行いました。
しかし本件は、作業上の確認漏れにより置き換える前の資料画像の中にあった宮下教授のXのアイコン画像が画面上に残ったままの状態で浅野先生が作業を進行して原稿を納品されてしまい、弊社・小学館スピリッツ編集部がそのことに気づかず、見落としたまま校了してしまったことにより起きたものです。
すでに宮下教授にご連絡を差し上げており、今後しかるべき対応を行う予定です」
J-CASTニュースでは、宮下教授にもXのダイレクトメッセージを通じて取材を申し込んでいる。回答があり次第、追って伝える。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)