自分の生活に合った形で、スマホを上手く使いこなそう
――【図表3】の結果をみると、スマホ利用が1日4時間以内に人の健康意識が一番高いですね。やはり、使い過ぎは健康によくないのですか。
吉良文夫さん スマホを「毎日1~4時間未満」利用している人の健康意識が最も高いという結果ですが、スマホは日常的にさまざまな目的で利用可能なツールなので、「使いすぎない適度な利用時間」という部分は人によってそれぞれ異なると考えられ、注意が必要だと思っています。
――それは、【図表4】のメリハリ利用をしている人は、利用時間が長くても健康意識が高いということと関係しているのでしょうか。そもそもメリハリ利用とはどういう使い方をさすのでしょうか。
吉良文夫さん 「メリハリ利用」については、「目的を持ち、メリハリをつけて利用している」という聞き方をしています。その反対が、「目的はなく、なんとなく利用している」というものです。
メリハリ利用とは、スマホを生活のためのツールとして目的をもって利用しており、スマホに振り回されていないということだと考えています。
スマホ利用時間が長い人、たとえば「毎日4時間以上」は健康意識が低いというような単純な関係(=スマホ利用時間と健康意識との関係)で理解すべきではないと考えています。今回の調査結果で、健康意識に大きな差異が表れたものは、利用時間よりも利用意識による違いでした。
――利用時間よりも使う意識が大事だということですか。
吉良文夫さん スマホ利用時間が短くでも、スマホ利用が健康意識にマイナスに働いている人たちがいると思いますし、逆にスマホ利用時間が長くでも、結果的に生活が充実して健康意識にプラスに働いている人たちもいると思います。
肝心なことは、各人が自分の生活に合った形でスマホを上手く使いこなすことが重要だと考えています。個人的には、スマホ利用で大きなストレスを感じたり、健康にマイナスに働いていると感じたりするようであったら、自身の使い方を見直すよい機会だと思っています。
(J‐CASTニュースBiz部 福田和郎)