パリ・パラリンピックが現地時間2024年8月28日、開幕する。競技の一つが、同9月1~2日に行われるトライアスロンだ。スイム0.75キロ(km)・バイク20km・ラン5kmの合計タイムを競う。
パリ五輪のトライアスロンでは、スイムの会場はセーヌ川だった。パラリンピックでも同じだ。五輪では競技後、体調を崩した選手が続出したが、大丈夫だろうか。
五輪では水質が基準満たさず延期に
パリ五輪でセーヌ川を泳いだ選手の10%が胃腸炎に――。複数のメディアが米医療専門サイトを引用する形で、25日までに報じた。
五輪ではセーヌ川の水質が不安視された。実際、トライアスロン男子は競技当日に水質が検査基準を満たさず、翌日に延期となった。
終了後、世界のメディアは体調を崩した選手について伝えている。「セーヌ川を泳いだベルギーの女子選手が体調不良を訴え、後日の混合リレーを棄権した」、「カナダ人男子選手が、10回嘔吐した」「ドイツ人の3選手が競技後、吐き気や下痢を起こした」といった具合だ。ただし、こうした症状とセーヌ川の水質の因果関係は、はっきり示されていない。
日本からは3選手が出場。セーヌ川の水質による体調不良者は出なかったという。
雨で生活排水が直接セーヌ川に
パリの下水道は、雨水と生活排水が同じ管を流れる「合流式」というシステムだ。大雨が降ると、排水が処理されないままセーヌ川へ直接流れ込んでしまい、水質悪化の原因となる。
五輪トライアスロン男子が1日延期した際も、前日に雨が降っていた。この仕組みは現状も変わっていない。そのため、パラリンピックのトライアスロン競技でも同じことが起きる可能性はある。
現時点ではトライアスロンの会場変更はアナウンスされておらず、競技はセーヌ川で実施される予定だ。