多様な人材が所属する状態を指す「ダイバーシティ」と、多様な個性が活かされ包摂されている状態を指す「インクルージョン」。組織や社会について、いわゆるZ世代が重視する価値観のひとつといわれている。
ある調査によると、2026年卒業予定の学生の6割超が、企業の「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」に関する考え方を知ることで志望度が上がる、と答えたという。企業の採用PRのやり方にも影響を与えそうな結果だ。
学生「社会的責任を果たす企業に好感」
この調査は、学情が「あさがくナビ2026」サイト来訪者を対象に実施し、276件の回答を得たもの。D&Iの考え方を知ることで、明確に「志望度が上がる」と答えた学生が24.3%、「どちらかと言えば上がる」を含めると62.3%にのぼった。
調査では、学生から「利益追求のみならず社会的責任を果たす企業に好感を持つ」「多様性を尊重する企業は、社員の個性や価値観を大切にしていると感じる」といった意見が寄せられたという。
企業のD&Iに関する取り組みで注目する点としては「働き方の制度・柔軟性」が51.8%で最も多く、次いで「従業員の満足度」が45.3%、「男女比率」が40.2%、「勤続年数」が34.4%、「女性管理職比率」が32.6%と続く。
学生からは「同じ会社で長く働きたいと考えているので、働き方の制度に注目している」「従業員の満足度が、会社の発展につながっていると思う」「男女比率に偏りがあると、多様性を受容している企業とは言えないと思う」「勤続年数の長い人が多い企業は、多様な人材が活躍できる環境が整っているイメージ」といった声が寄せられている。
D&Iに関する企業の取り組みを知るために利用したい情報源としては、「企業ホームページ」が76.8%。次いで「採用ホームページ」が57.2%、「会社案内パンフレット」が34.4%などと続く。やはりスマホで閲覧できることが重要なようだ。