新入社員3人に1人、入社2か月で「もう会社辞めたい」 救いは「いい先輩・上司の声かけが嬉しかった」だが/マイナビ・瀧川さおりさん

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先輩・上司の温かさだけでは、新入社員引き留めに限界

――「いい上司や先輩の存在」が辞めない理由の3位に入ったのは、ある意味「救い」と思いますが、どう評価していますか。また、このことを踏まえ、企業は若手の早期退職を防ぐために、どう対応をするとよいでしょうか。

瀧川さおりさん 給与の不満やライフステージの変化に対する不安など、現場でのカバーが難しい要素が挙がるなかで、上司や先輩の存在が「辞めない理由」の3位に入っていた点は注目すべきポイントです。

新入社員にとって職場での人間関係は、勤続意向に影響を与えていることがわかります。企業は新入社員の定着のため、OJT(職場内訓練)を通してコミュニケーションをはかるなど、良好な関係構築に向けた取り組みが今後はより求められていくでしょう。

実際に「上司・先輩がやってくれて、うれしかったこと」を聞くと、なんと「話し掛けてくれる」がダントツの1位でした。

新入社員から話し掛けるのはどうしてもハードルが高いので、関係性ができるまでは、上司・先輩から小まめに声をかけてあげることが重要です。心理的安全性の担保は、退職防止のために欠かせません。

――意外と簡単なことが大切なのですね。

瀧川さおりさん そのとおりです。また、「学ぶべき点がある」「良くない時は、きちんと指摘(指導)してくれる」といった自分の成長につながる項目が「嬉しかったこと」の上位に入っていることも注目すべきです。

「社外で通用しない人材になるのでは」という焦りを生まないためにも、実のある指導やフィードバックができるかという点も大事になりそうです。

とはいえ、新入社員のつなぎ止めを配属部門の上司・先輩だけで行うのは難しいでしょう。若手が安心して働き続けられるだけの給与や、当人の適性と希望を活かす配属など、企業として制度や環境を整えていくことが求められるのではないでしょうか。
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