決め手は「将来性ある仕事か」「社外で通用する人材になれるか」
――ところで、入社後わずか2か月で3人に1人が辞めたいと思っている結果は、かなり衝撃的です。一方で、よくいわれる「配属ガチャに外れた」という理由は少数派とあります。それならば何が不満なのか、企業側としてはぜひ知りたいところです。
瀧川さおりさん まず、「配属ガチャ」の件ですが、今回の調査では「配属ガチャに外れたと感じている」という回答は11.1%に留まりましたが、「希望どおりの配属先ではない」人が4割ほどいました。
最近の新入社員はインターン経験者が多いため、すでに「自分に合った仕事」がどのようなものか、ある程度自己分析できている人もいます。そんななか、配属先は入社後に通達で、内定を受諾し入社先を決める段階では配属先を選べないことが少なくありません。
だから、希望の配属先ではないことに不満やギャップを感じる度合いは、インターンがない頃の新入社員に比べ大きい可能性も考えられます。
――つまり、新入社員の多くは、最初から配属先を念頭に今の会社に入っているということですね。となると、辞めたいと思う本当の理由は何でしょうか。
瀧川さおりさん 「辞めたい」と感じた人は、そうでない人に比べて「仕事内容に不満」という回答が非常に多いです。
そのギャップに感じている点として、高かったのは「働きと報酬が見合っているか」「仕事内容が向いているか」「努力や貢献が賃金で評価されるか」などです。
なかでも、とりわけ不満が高かったのが「将来性のある事業・仕事内容を担当しているか」「今の仕事を続けたら、社外に通用する人材になれそうか」という2つでした。
最近は「ゆるブラック」という言葉があるとおり、「成長を感じられない」「通用しない人材になる」「周囲に置いていかれる」という不安を感じて転職する若手が一定数います。
企業は、今の仕事でどんなスキルが身に付くのか、どのような意味があるのかなどを丁寧に伝え、フィードバックを通じて自身の成長に気付かせてあげることも大切だと思います。