パリ五輪・レスリング女子76キロ級で金メダルを獲得した鏡優翔選手が、2024年8月21日にXで、五輪の第1試合以降、「右目の左右が見えにくくなってる」と告白した。
投稿では「明日病院に行きます」とされており詳細は不明だが、今後の競技生活に影響はあるのか。スポーツ眼科外来を設ける眼科医に話を聞いた。
「ドンペン」かぶって笑顔見せるも...心配の声相次ぐ
鏡選手は「実はオリンピックの1回戦で相手の頭が激突して以来 右目の左右が見えにくくなってるのを、やっと公に告白して、やっと明日病院に行きます」と報告した。
日本時間8月10日、エクアドル代表選手と初戦を闘った鏡選手は、2-0で勝利している。
この投稿には心配の声が寄せられたが、鏡選手はディスカウントストア「ドン・キホーテ」のキャラクター「ドンペン」の被り物をかぶり、笑顔を見せる写真とともに「こんな感じで元気モリモリなので安心してください」と元気をアピール。
レスリング・森川美和選手の「顔色悪そうだしくちびる黄色し大丈夫そ?」という返信に「いやそっちはドンペン」とツッコむなど、ユーモアあふれるやり取りも見せた。
SNS上では気丈にふるまう様子を見せる鏡選手だが、どのような状態であることが考えられるのか。あやし眼科クリニック(仙台市青葉区)の伊勢屋貴史医院長に話を聞いた。
強くぶつかった衝撃で
伊勢屋院長は、あくまで現時点での情報からの見解だとことわったうえで、もっとも可能性が高いのは、視神経管骨折による「外傷性の視神経症」だとみる。
それは「強くぶつかったことによって視神経を包む骨が折れ、視神経に当たると、その衝撃で視神経が腫れてしまうという状況」だと説明した。「眉の外側あたり」を強くぶつけると、そういった症状が現れることがあるとし、折れた骨が視神経に当たる場所によって、見えにくくなる箇所は異なるという。
仮に、このけがだった場合、どのような治療をすることになるのか。伊勢屋院長は次のように説明した。
「2日以内くらいに骨折の部分を取り除く手術をする。もしくはステロイドの点滴をして、神経の腫れをなるべく引かせるような治療。もしくはその両方をすることになります」
今後の競技生活への影響の可能性については、試合から10日以上経ち、症状が続いているという状況を踏まえると、「眼科医としては非常に心配」だという。
なお、伊勢屋院長は、もう1つの可能性として「網膜浸盪症」も挙げる。
「目を強くガンとぶつけたことにより、カメラでいうところのフィルムの役割をはたす『網膜』が腫れてしまった状態です」と説明。その場合、「腫れた場所によっては、真ん中は見えるけども左右が見えにくいというのも一応は考えられると思います」とした。
実はオリンピックの1回戦で相手の頭が激突して以来
— 鏡優翔 yuuka KAGAMI (@yuukagami0914) August 21, 2024
右目の左右が見えにくくなってるのを、
やっと公に告白して、
やっと明日病院に行きます????????
ご心配ありがとうございます✨
— 鏡優翔 yuuka KAGAMI (@yuukagami0914) August 21, 2024
こんなにたくさんの方に言っていただけると思ってなくて"1番"ビックリしてます????
こんな感じで元気モリモリなので安心してください???????? pic.twitter.com/OtukxoS5Wb