進次郎氏、コバホーク...候補者11人?乱立の自民党総裁選 政治アナリストが指摘する「討論会」の意義

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   岸田文雄首相の再選出馬断念を受け、2024年9月に実施予定の自民党総裁選には、計11人が意欲を見せていると報じられ、混戦模様になっている。

   このうち、5人ほどが立候補に必要な推薦20人にメドをつけたと報じられた。小泉進次郎元環境相(43)ら40代も2人含まれている。世代交代は進むのだろうか。

  • 40代の1人、小泉進次郎氏
    40代の1人、小泉進次郎氏
  • 新総裁の下で早期解散はあるか
    新総裁の下で早期解散はあるか
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「現職不出馬で閣僚も立候補できるほか、派閥の縛りが緩くなった」

   総裁選では、コバホークのニックネームでも呼ばれる小林鷹之前経済安全保障相(49)が、8月19日に先陣を切って出馬を表明した。翌20日になると、小泉進次郎氏が立候補の意向を周囲に伝えたと報じられ、まず40代の2人がクローズアップされた。

   2人は推薦人のメドもついたとされ、このほか、石破茂元幹事長(67)、河野太郎デジタル相(61)、林芳正官房長官(63)も同様だといい、石破、河野両氏は、近く出馬表明するとみられている。さらに、6人も出馬に意欲を示しているようだ。

   ネット上では、若手が出馬して自民党内で論戦が活発になることを期待する声が上がった。一方、知名度がある小泉氏は、「進次郎構文」が話題になる一方で実績や政策に弱さを指摘する声が出て、小林氏も、フレッシュさがありながらも元財務官僚出身として大胆な経済政策を打ち出せるのかなどと不安視する向きもある。

   11人のうち、まだ混戦から抜け出したと言えそうな候補は出ていない状況だ。

   なぜ今回の総裁選では、11人も意欲を見せるなど乱戦模様になっているのだろうか。

   政治アナリストの伊藤惇夫さんは21日、次のような2点の理由をJ-CASTニュースの取材に挙げた。

「1つは、現職が不出馬宣言したため、閣僚でも自由に出られる状況になったことです。もう1つは、派閥の縛りが緩くなって、出たい人がどんどん出られるようになったことがあります」

「候補者同士が討論する機会に、力量の違いがはっきりする」

   旧派閥のうち、まだ解散宣言をしていないのは、河野氏が所属する麻生派だけだ。林氏のほか、出馬に意欲を見せている上川陽子外相(71)が岸田派、茂木敏充幹事長(68)と加藤勝信元官房長官(68)が茂木派の出身で、伊藤さんは、1つの派閥から2人が候補になっているケースが2つもあることが、派閥の縛りが緩くなったことの現れだとみる。

   伊藤さんは、推薦人のメドをつけたとされる5人のうち、林氏は、実際に出馬するか微妙だとの見方を示し、さらに2、3人が出馬する可能性があると指摘した。

   5人には、女性が含まれていないため、伊藤さんは、「党内では、女性候補を1人は入れようとする思惑も働くのではないか」と推測する。その中では、高市早苗経済安全保障相(63)が有力なのではないかという。高市氏は、前回支援した小林氏が出馬表明するなどして、推薦人集めに苦しんでいると報じられているが、以前から動いていたため可能性はあるとみている。

   これらのうち、混戦から抜け出す候補は、あるのだろうか。

   この点について、伊藤さんは、「候補者同士が討論する機会を持った方がいいでしょう。そうすれば、候補者の力量がはっきりします」と話した。

   新総裁は、もし支持率が上がれば、10月にも衆院早期解散に踏み切るとの見方を示した。

   ところで、裏金問題などの影響から、自民党が下野することはありえるのだろうか。立憲民主党では、人気のある野田佳彦元首相を9月の代表選で担ごうとの動きがあるが、政権交代の可能性はどうか。

「自民党は議席を減らすかもしれませんが、おそらく政権交代はないと思います。立憲民主党は、支持率を上げられないでいますし、候補者を大量に立てられないでしょう」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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