【2025年卒就活生】8月1日内定率91%、終盤戦に...内定まだの人、とった人も「内定はゴールではない、スタートにすぎない」

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   2025年卒大学生・大学院生の就職活動が終盤戦に入った。

   リクルートの就職・採用関連の研究機関「就職みらい研究所」が2024年8月9日に発表した「就職プロセス調査(2025年卒)『2024年8月1日時点内定状況』」によると、8月1日時点での内定率が91.2%と、現行の就活スケジュールになった2017年以降で最高となった。

   まだチャンスはある、焦らずにしっかり就活を進めようと、同研究所所長の栗田貴祥さんがアドバイスする。

  • 「内定が取れた!」と大喜びの女子学生(写真はイメージ)
    「内定が取れた!」と大喜びの女子学生(写真はイメージ)
  • (図表1)内定率の推移(リクルート就職みらい研究所作成)
    (図表1)内定率の推移(リクルート就職みらい研究所作成)
  • (図表2)就職活動開始当初を比べた今後の就職活動の方針(リクルート就職みらい研究所作成)
    (図表2)就職活動開始当初を比べた今後の就職活動の方針(リクルート就職みらい研究所作成)
  • 栗田貴祥さん(本人提供)
    栗田貴祥さん(本人提供)
  • 「内定が取れた!」と大喜びの女子学生(写真はイメージ)
  • (図表1)内定率の推移(リクルート就職みらい研究所作成)
  • (図表2)就職活動開始当初を比べた今後の就職活動の方針(リクルート就職みらい研究所作成)
  • 栗田貴祥さん(本人提供)

過去最高の超ハーペースの内定率と進路確定率

   就職みらい研究所の調査(2024年8月1日~5日)は、2025年卒業予定の大学生(3037人)と大学院生(851人)の合計3888人が対象。8月1日現在の内定率(大学生のみ)は91.2%(前年比4.6ポイント増)と、7月1日時点より3.2ポイント高くなった【図表1】。

   理系が94.3%と、文系の89.9%を引き離した。また、男性が91.9%と、女性の90.4%を上回っている。男性は7月までずっと女性より低かったからラストスパートの追い込みが目立つ。

   内定取得企業数は平均2.58社。2社以上から獲得した人が67.4%。また、内定保有企数は平均1.12社と、ここにきて絞り込みが進んだ。

   一方、進路確定率も80.6%(前年比3.2ポイント増)と、現行の就活スケジュールとなった2017年以降最高レベルになっている。

   ところで、調査では内定を取得した学生と、まだ取得していない学生の双方に、就活を始めた当初と比べた今後の就活の活動方針を聞いた。

   「志望内容や範囲を変えずに活動する」は、内定取得者で46.6%、内定未取得者で68.1%。一方、「志望内容は変えず、より志望度の高い企業に絞って活動する」は、内定取得者で13.7%、内定未取得者で12.3%だった【図表2】。

   内定取得者は、内定先企業をキープしつつ、より自分の志望に合った企業探しに重点を移した活動を行なっている。一方、内定未取得者はまず、初心を貫いて1つでも内定を取ろうと模索を続けている様子がうかがえる。

就活を振り返り、うまくいかなかったポイントを見つける

   超ハイペースで進む就活、焦らずに自分に合った会社を見つけるにはどうしたらよいか。J-CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった就職みらい研究所所長の栗田貴祥さんに話を聞いた。

――8月1日現在の内定率が91.2%という驚異的な数字。これほどスピードアップした理由は、どこにあるのでしょうか。

栗田貴祥さん たしかに、8月1日現在の内定率は91.2%と、現行の就活ルールが始まった2017年卒以降では、新型コロナの影響を受ける前年の2020年卒の8月1日時点と同率で最高値となりました。

早い時期での内定率の高さの背景には、折からの人手不足を起因とした、企業の採用意欲がより一層高まっていることが挙げられると考えております。

―― 一方、就活を実施中の人が全体で2割近くいます。その中には、内定を取っている人も1割以上含まれています。

「就活開始当初と比べた今後の就活の方針」の調査をみると、内定取得者は柔軟に対応し、さらなるステップアップを目指しているのに対し、内定がまだ得られていない人では「志望内容や範囲は変えずに活動する」が7割近くいて、初心貫徹の意気込みを感じます。

内定を得られていない学生は今後どうしたらよいでしょうか。アドバイスをお願いします。

栗田貴祥さん 採用意欲の高さから、現時点でも新卒採用を続ける企業も少なくありません。また、採用予定人数に満たないなどで、追加募集をしている企業もあります。

このような背景から、2025年卒の内定未取得の学生の皆さんは、2024年卒の8月1日時点の内定未取得の学生に比べ、「志望内容や範囲は変えずに活動する」という方が多いのではないかと推察されます。

まだ内定を得られていない学生の皆さんは、自分の就職活動を振り返り、うまくいかなかったと思われるポイントを見つけ、それを解消するための工夫をしてみてください。

少し視野を広げ、関心と強みを生かせる仕事を探そう

――具体的にはどうすればよいでしょうか。

栗田貴祥さん 大学のキャリアセンターに相談することで、うまくいかなかったと思うことを解消するためのヒントを頂くこともできるかもしれません。ぜひ、相談されることをおすすめします。

社会人になれば、自分の興味、関心だけでなく、自分の強みが活かせるかどうかも重要になります。自分の強みを再確認し、少し視野を広げ、関心も持てるし、強みも生かせる仕事は何かという視点で見てみると、自分にあった企業との出会いが生まれることもあります。

今後の活動方針をキャリアセンターや、家族、友人などの客観的な第三者の意見も参考にしながら検討し、より自分に合った仕事・企業に出会えるよう活動を進めていただきたいと思います。

――内定取得者の中にも、より自分に合った企業を探して就活を続けている人が多いですが、どういう点に気を付ければよいでしょうか。

栗田貴祥さん まだより自分に合った企業を探し続けている人は、就職活動を通じて、自分らしい豊かな人生を歩んでいくための選社基準とは何なのかという、自分基準の解像度を上げていきながら、最終的には、世の中の基準や他人基準ではなく、自分の基準で納得のいく就職先を見つけていただければと思います。

就職活動に正解はないし、内定はゴールではなく、スタートです。しっかりと自分に向きあい、就職活動をやりきったと思えるのであれば、たとえ、第一志望の企業と縁がなかったとしても、予想していなかった出会いを通じて、自身のキャリアが拓(ひら)かれる可能性は十分にあります。

自分自身が納得のいく就職活動を通じ、自身にとっての最良の進路を見つけてもらえればと願います。

3年生は、学業から自分の「強み」と「らしさ」を見つけよう

――超ハイペースの就活は、大学3年生(2026年卒就活生)でも始まっています。3年生は今後の就活と学業の両立をどう進めていけばよいでしょうか。

栗田貴祥さん 大学生の本分は、学業です。ご自身が専攻している学科の勉強を深めることで、自身の興味や関心を理解することにも繋がることもあります。学業を含め、部活動やアルバイトなどの課外活動など充実した学生生活をおくりながら、ご自身の「強み」や「らしさ」を見つけてください。

また、並行して興味や関心のある企業のインターンシップなどのキャリア支援プログラムの情報も収集し、自分らしさを発揮できる業界や企業はどんな所なのかを探してみるのも、充実した職業人生を送るためによいかもしれません。

人は、働くためだけに生きているわけではないですし、学ぶためだけに生きているわけでもありません。より良く生きるために、学び、働くのだと思います。自分らしく豊かな人生を送るために、限られた時間をフル活用して、充実した学生生活を送って頂ければと思います。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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