元卓球日本代表で五輪メダリストの石川佳純さん(31)のインスタグラムに、中国語で書かれた「悪態は無視して」「中国の過激なネットの声は無視して」などのコメントが寄せられている。
「石川佳純は福原愛に次いで国内のファンの間で最も人気がある」
このようなコメントが寄せられる発端となったのは、パリ五輪前の石川さんの行動にあるとみられる。
石川さんはパリ五輪前に放送されたテレビ番組に出演。番組の企画として卓球男子代表・張本智和選手(21)と東京・渋谷区の東郷神社を訪れ、張本選手とともに必勝祈願を行った。
東郷神社は、元帥海軍大将の東郷平八郎を祀る神社。「勝利」にご利益があるとされ、各競技のアスリートが「必勝祈願」に訪れる神社として知られる。
このように、石川さんはパリ五輪の「必勝祈願」を目的として東郷神社を訪れた。ところが、複数の中国メディアによると、日清戦争に関与した東郷平八郎を祀る東郷神社を参拝したことが、中国のSNSで物議をかもしているという。
中国メディア「捜狐」(ウェブ版)は、「石川佳純は福原愛に次いで国内のファンの間で最も人気がある」とし、「しかし、超人気を誇る石川佳純は、人々の怒りを買った」と報じた。
「一部の中国人の失礼な態度をお詫びします」
記事によると、中国版Xの「微博(ウェイボー)」には石川さんへの「中傷」コメントが多く寄せられ、コメント欄が閉鎖されたという。
中国スポーツメディア「新浪体育」(ウェブ版)は、「石川佳純が張本智和選手と日本の東郷神社を参拝したことが8月14日に明らかになり、インターネット上で大きな波紋を呼んだ」と報じた。
このような中国での状況を心配した中国のファンが、石川さんのインスタグラムに中国語で、次のようにコメントを投稿した。
「一部の中国人の失礼な態度をお詫びします」「これを理由に中国を嫌いにならないことを願っています」「Weibo悪態、心からごめんなさいでした」「石川さん、悪態は無視してください」「中国の過激なネットの声は無視してください」「カスミ、この世界には良い人がたくさんいると信じてください」
石川さんは、12年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪、21年東京五輪に出場し、団体女子で銀メダル2個、銅メダル1個を獲得。卓球王国中国では、高い人気を誇り、「微博」のフォロワーは100万人を超えていた。
23年5月に現役を引退し、パリ五輪では、日本の放送局のレポーターとして日本代表選手らを取材した。