パリ五輪競泳女子400メートル自由形金メダリストのアリアーン・ティトマス(オーストラリア、23)が、地元放送局のニュース番組「The Project」に出演し、選手村の実態を明かした。地元メディア「News.com.au」(ウェブ版)が2024年8月16日に報じた。
「ベッドシーツは最初の夜に交換されただけ」
ティトマスは21年東京五輪で200メートル自由形、400メートル自由形で金メダルを獲得した実力者。今大会は、400メートル自由形で五輪2連覇を果たした。
21年東京五輪に続いての五輪出場となったティトマス。「News.com.au」の記事によると、番組MCに選手村での生活について聞かれたティトマスは「選手村はみんなが思っているほど華やかではなかった」と切り出し、選手村の実態を明かした。
記事は「パリ五輪で2つの金メダルを獲得したスイマーが、アスリートたちの宿泊施設について衝撃的な事実を語った」とし、ティトマスの告白を報じた。
ティトマスは「ベッドシーツは最初の夜に交換されただけで、あとはずっと交換してもらえず、私たちは不潔な生活を送っていた」とし、「トイレットペーパーがなくなると、4日分として1ロールしかもらえなかった」と明かした。
より多くトイレットペーパーをもらうために、ルーメイトの人数を多く申告する「ウソ」をつく必要があったという。
段ボールベッドのマットレスはあまり柔らかくない?
このような環境の中で、肉体的、精神的な負担があったかMCに問われると、「前回のオリンピックで学んだので、この大会に臨むにあたって肉体的にも精神的にも何が起こるか分かっていました」と答えたという。
今大会の選手村の環境について、ティトマス以外にも「苦情」を訴える選手が続出した。
競泳男子100メートル背泳ぎで金メダルを獲得したトマス・チェッコン(イタリア、23)は、自室にエアコンがないことに不満を示し、男子100メートル自由形で金メダルを獲得した潘展楽(中国、20)は、選手村の食事について苦言を呈した。
21年東京五輪に続いて採用された段ボールベッドも選手たちから不満の声が上がった。
米メディア「CBS SPORTS」(ウェブ版)は、SNSでの選手たちの声を拾い記事を展開。「興味深いことに、段ボールの部分自体は問題ではないかもしれない。不満のほとんどは、マットレスがあまり柔らかくないという点にあるようだ」と解説した。
選手村の環境に関しては、大会ごとに話題に上がり、五輪ファンの関心を集めている。