従業員の安否確認、緊急時の指揮・命令系統をどうする?
――しかし、南海トラフ級の大地震ではインフラが壊滅するわけですから、しっかり作っておかないと、事業を続けることができませんよね。
窪田剛士さん そのとおりです。何か月も緊急事態が続くわけですから、まず資金面で大打撃を受けます。
BCPでは、まず従業員の安否確認をどうするか、緊急時の指揮・命令系統をどう構築するか。そして、情報システムのバックアップをどうするか、など細かく決めておく必要があります。
また、事業所の安全性の確保(建物の耐震補強、設備の転倒や落下対策)も喫緊の課題です。さらに、いざという時に備えて、調達先や仕入先の分散を図っておく必要があります。在宅ワークでも業務を続けられる体制を作っておかないとなりません。災害保険の加入も不可欠です。
――「電話1本で何とかなるだろう」というレベルではありませんね。お金もかかるし、ノウハウのない中小企業や小規模事業者はどこに相談すればよいのでしょうか。
窪田剛士さん 身近なところに相談してください。具体的には取引先の金融機関や自治体の窓口がいいでしょう。ぜひ、急いでBCPを作ってほしいと願います。