パリ五輪レスリング女子50キロ級で、決勝に進出しながら試合前の計量で体重が100グラム超過し失格となった、インド代表のビネシュ・フォガット選手。2024年8月16日、自身のインスタグラムとXに長文の声明を掲載した。
「言いたいことは、山ほどあります」としつつ、示唆していた引退から一転、現役続行をにおわせている。
ブリスベン五輪がある「2032年までプレーする自分を想像」
声明文は英語で、3ページにわたる。自身の生い立ちや家族について、またパリ五輪に向けてレスリングに打ち込むうえで協力してくれた人々への感謝を述べた。五輪での体重超過による失格については、「8月6日の夜と7日の朝」という言い回しで言及。「私たちはあきらめなかった...しかし時間は止まり、公平ではありませんでした。それが私の運命でした」と、無念だった様子を表現している。
ビネシュ選手は6日の1回戦、須崎優衣選手に勝利。決勝までコマを進めたが7日朝の軽量に失敗し、失格となった。8日にはXで「もう、これ以上の力が残っていません。さようなら、レスリング」と投稿し、引退を示唆していた。
だが16日の声明では、パリ五輪で目指していたことが未完のままで終わってしまったとし、「おそらく異なる状況下で、2032年までプレーする自分を想像することもできるでしょう。なぜなら、私の中には常に戦い続ける意志とレスリングへの情熱があるからです」と、現役続行する意向をにじませた。32年はブリスベン五輪が予定されており、その4年前の28年にはロサンゼルス五輪がある。
「銀メダルを」訴えるも棄却
ビネシュ選手は最後に、「自分が信じるもの、正しいと信じるもののために、私はこれからも戦い続ける」との覚悟を表明した。
この投稿に対しては、ビネシュ選手を支持する人が圧倒的だ。一方、失格以降のビネシュ選手の行動を報じてきた報道を見ると、ルール違反で失格となったのは本人とスタッフの責任とする意見が少なくない。
ビネシュ選手側は失格後、銀メダルの授与を求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴したが、14日に棄却された。