2024年8月14日、岸田文雄首相が自民党9月総裁選への不出馬を表明した。前日まで、出馬を検討しているとも見られており、党内外に衝撃が走った。
今から思うと、岸田政権の末期症状は危機管理に出ていた。8月8日宮崎地震だ。南海トラフ地震への波及が懸念されるのは確かだが、ここは注意情報を出しても、地震への備えを再チェックするだけに留めて、日常生活や既に決めた予定を変更することはないと、総理の口から言っておくべきだった。
しかし、8月9~12日に予定されていた首相の中央アジア訪問を首相自らが予定変更し、外遊をドタキャンした。
「麻生太郎 vs 菅義偉」のキングメーカー対決
いずれにしても、これで総裁選は事実上始まった。キングメーカーとして、麻生太郎氏と菅義偉氏の争いだろう。手駒としては、菅氏が優勢だ。小石河といわれる石破茂氏、小泉進次郎氏、河野太郎氏は党内外で人気が高いとされている人への影響力がある。
特に小泉氏は父親の小泉純一郎氏のアドバイスもあり、若すぎて出馬しないと言われたが、ここにきて若さの魅力が復活している。清和会の重鎮も推しているという話もあり、父親譲りに「自民党をぶっ壊す」に匹敵する一発があれば、自民党再生になるかもしれない。その上で、もし小泉氏が出馬するなら、相当なインパクトがあるだろう。
小石河をどのようにまとめるかで菅氏の力量が問われている。