パリ五輪の卓球女子日本代表の早田ひな選手が2024年8月13日に帰国記者会見で話した、2つの「帰国後に行きたい場所」に注目が集まっている。
早田選手は卓球女子シングルスで銅メダル、団体で銀メダルを獲得した。
「当たり前にできていることが当たり前じゃないって...」
早田選手は、「1つはアンパンマンミュージアムにポーチを作りに行きたいなと思ってる」と話した。続けて、「鹿児島の特攻資料館に行って、生きていることを、そして卓球が当たり前にできていることが当たり前じゃないっていうのを感じたいなと思って、行ってみたい」と、南九州市・知覧にある「知覧特攻平和会館」を挙げた。ここには、第二次世界大戦末期の沖縄戦で出撃した陸軍特別攻撃隊員の遺品や関係資料が展示されている。
「特攻資料館」の回答にSNSでは感心する声が上がり、 タレントのフィフィさんもXで「おそらく日本では、この発言がニュースになるほど、戦争に関する歴史資料館に行きたいと著名人が公言すること自体が憚られるのでしょう」と投稿した。
さらに、1つ目に挙げた「アンパンマンミュージアム」も、知覧特攻平和会館と共通点があるとして注目を集めている。
「アンパンマン」誕生の背景は、作者のやなせたかしさんの戦争体験と密接に関係していると考えられている。例えば、やなせせんの著書「新装版 ぼくは戦争は大きらい ~やなせたかしの平和への思い~」 (小学館クリエイティブ) は、こんな一節で締めくくられている。
「ぼくが『アンパンマン』の中で描こうとしたのは、分け与えることで飢えはなくせるということと、嫌な相手とでも一緒に暮らすことはできるということです。『マンガだからできることだ』『現実にはムリだ』なんて言わずに、若い人たちが真剣に考えてくれればうれしいです」
こういった背景を念頭に、「両極端かと思いきや、どちらも平和をテーマにしてる部分は共通している」といった指摘があがり、「平和の祭典に出て思うところがあったんだろうね。ますます応援したくなった」「素晴らしすぎる。アンパンマンもやなせたかし先生の終戦後の思いからの作品。早田ひな選手は今後ずっと応援します」といったコメントが寄せられた。
やなせさんが徴兵されて入営したのも、早田選手の出身地にあたる現在の北九州市だ(やなせさんが入営したのは小倉、早田選手は戸畑区出身)。