パリ五輪で、フェンシング日本代表は大躍進を遂げた。個人・団体で金2、銀1、銅2と計5つのメダルを獲得した。
この競技で北京五輪(2008年)、ロンドン五輪(12年)と2大会連続で銀メダルに輝き、現在は国際オリンピック委員会(IOC)委員を務める太田雄貴さんは、Xで、日本の五輪選手団をねぎらった。同時に、「少しだけ耳の痛いかもしれない」投稿をした。そこには1枚の衝撃的な画像が――。
認知があっても、人気がないと
太田さんの主張は、メダルをとることと、集客できることはイコールではないというもの。メダルをとるのは「認知」、集客できるのは「人気」で、「認知があっても、人気がないとお客さんに足を運んでいただく事は簡単ではありません」との説明だ。ただし、「競技を知ってもらう、きっかけとしては、メダルを獲得する事は大変意義のある事です」とも。
そのうえで太田さんは協会事務局に、「次に行われる大会の告知や、普及イベントなどの準備にはなるべく早く取り掛かってください。どんどん自分から発信しないと、情報は簡単には届きません」と警鐘を鳴らす。
太田さんはこの投稿に、ロンドン五輪で銀メダルを獲得した後に実施されたフェンシング全日本選手権の写真を添えている。そこには、ガラガラの観客席を背景に試合をする2人の選手が写し出されていた。
「オリンピックでメダルを取れば全てを好転させる訳ではありません。一方で変わっていく一歩になるのは間違いありません」
太田さんはそうエールを送る。