「被害者はただただ嫌な思いしかしていないですけれども...」
そのため「人の気持ちがわからなくて言ってしまう。身近なSNSとかでパッとやっちゃうことはあります。『これは暗黙のルールとしてやらないよね』ということもやってしまう」のだと理由を説明した。
「世間の人は、障害がある人や心が傷ついてきた人たちは、実は多くの人はすごくピュアなのではないかと思っていることが多いと思います。傷付いてきた分優しくて、助けてあげないといけないと思う人が多いかもしれません。もちろんはるかに人格が成熟している人もいます。一方でそういう人たちばかりではなく、現在進行形で苦しんでいる人たちは、弱い部分とか攻撃的な部分もあります。むしろ普通の人よりも汚い部分が多かったりします」
それを踏まえた上で、「被害者はただただ嫌な思いしかしていないですけれども」としつつ「そういう(攻撃的な)行動をしてしまうのも仕方がないのかなと僕らは思います」とした。
続けて、医療者や支援者は「仕方ないな、可哀想だなと思うのが普通かなと思います」とする一方で、世間の人から見ると「『どういうこと』と感じると思います」。その理由を次のように説明した。
「僕らが持っている人間の弱さというか、脳の弱さ・不完全さとか、教育では乗り越えられない弱さとか、自分の自由意志ではコントロールできない弱さっていうものがあります。社会が生み出す軋轢があって、社会は全ての人には優しくなれない構造なんです。どこまで行っても弱肉強食なので、その中でこういう行動をとってしまうというのは仕方がないです」
「こういう感覚になるにはかなり勉強しないといけないし、色々な治療経験を経ないといけない」という。
ただ、「だからと言って責任を取らなくてもいいとか、民事とかになったら法律で裁かれなくても良いということではないです」とクギを刺した。