鈴木宗男参院議員が2024年8月8日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、ロシアによるウクライナ侵攻について、1日も早く停戦に持っていくことが日本の役割だとして「日本も岸田総理も強くリーダーシップを取ってもらいたい」などと述べた。
また、「岸田首相はどうすべきか」という問いに対しては、「79年前、日本が半年早く降伏していれば東京空襲も沖縄戦も、いわんや広島・長崎に核が落とされることはなかった」として、「この日本の負の遺産をウクライナにやらせてはいけない」「日本の二の舞(に)は、してはならない」と主張。ウクライナの事実上の降伏を念頭に置いた「話し合い」の必要性を示唆した。
ロシア要人の主張「優位性は何ら変わらないし、疑う方が間違っている」
鈴木氏は7月28日から8月1日にかけてモスクワを訪問。現地で会談した要人のひとりが上院のコサチョフ副議長だ。鈴木氏によると、コサチョフ氏は
「ロシアは食料自給率も100%で国民は安心している。同時にウクライナ問題では、特別軍事作戦(ウクライナ侵攻のロシア側の呼称)でも順調に行っているし、ロシアの優位性は何ら変わらないし、疑う方が間違っている」
などと主張。さらに、岸田政権がG7と歩調を合わせる形で、対ロ経済制裁に踏み切ったことも疑問視していたという。
「岸田首相はどうすべきか」について会見で問われた鈴木氏は、太平洋戦争末期を例に出しながら
「79年前、日本が半年早く降伏していれば東京空襲も沖縄戦も、いわんや広島・長崎に核が落とされることはなかった。私はこの日本の負の遺産をウクライナにやらせてはいけないし、なってほしくないと思っている」
として、降伏が遅れればウクライナが焦土化する可能性を指摘した。
「『話し合いだ』という、強い呼びかけをしていただきたい」
その上で、日本には仲介者になる資格があるとして、
「インドや中国、ブラジルと連携して、私は(ウクライナを)日本の二の舞(に)は、してはならない(と思う)。だからここは『話し合いだ』という、強い呼びかけをしていただきたい」
と主張した。
「日ロ関係を改善するために最も建設的な行動」を問われると、対ロ制裁が奏功していないことを指摘しながら、制裁解除が「一番分かりやすい」とした。
鈴木氏は「初めて言いますけども......」と前置きした上で、
「昨年10月モスクワに行く際も、表には出ていないが、私は岸田総理とも話し合って行っている。帰ってからも報告もしている」
とも話した。今回のモスクワ訪問については言及しなかった。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)