後継者難と人手不足で、豆腐店は構造的な赤字経営
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった帝国データバンク情報統括部の飯島大介さんに話を聞いた。
――私は、長らく手作りの「街の豆腐屋さん」を愛用し、少々値段が高くても美味しい店から豆腐を買い、晩酌のおかずの冷奴を楽しんできました。
最近、その店がなくなって寂しい思いをしていますが、倒産・休廃業が急増している豆腐店とは、そんな店も指すのでしょうか。
飯島大介さん 「手作りの豆腐屋」も一部含まれますが、負債1000万円以上が対象ですから、工場を持ち、地場のスーパーに豆腐をおろしている会社が大半です。
街で直接お客に販売している豆腐店は、かなり消えていると思われますが、規模が小さすぎるので、把握しきれていません。
――豆腐店の倒産・休廃業が増えている理由は、ズバリ何でしょうか。
飯島大介さん リポートにも書いたように、原材料費や生産コストの上昇が理由の1つですが、後継者がいないこと、人手不足であることという構造的な要因が一番大きいです。豆腐店の半数が赤字経営に陥っています。
また、豆腐は生鮮食品と同じで日持ちがせず、頻繁に買いに行きます。どこの食卓でも食べているので、スーパーとしては客寄せの「特売」の目玉にして「安さ」をアピールします。豆腐店側もスーパーに価格転嫁することが非常に難しいのが現状です。