「自分のエリアの警察から通報されていないのはありえない」
こういった経緯を説明する中で、インドネシアの記者から出たのが「自分のエリアの警察から通報されていないのはありえない」という指摘だ。この記者は、玉城氏が県警と良好な関係を築くためにどんな取り組みをしたかについて質問した。
玉城氏は、
「県警の本部長とも 必要であればお互いに意見交換をするようにしているし、厳しい財政事情ではあるが、例えば警察に対する予算もできる限り配分をして警察業務がスムーズに、県民の安全を守るために行われるよう、サポートさせていただいている」
などと応じた。
県知事は県警を所轄(指揮命令権のない監督)し、知事が県議会の同意を得て任命する公安委員でつくる「公安委員会」が県警を管理することになっている。ただ、県警本部長は県警の「たたき上げ」ではない。現本部長の鎌谷陽之氏は、前職が警察庁警備局外事情報部外事課長で、つまり沖縄県が辞令を出した異動でなく、いわゆる中央官庁が持っているポスト枠を異動する形で22年8月に就任している。この点を念頭に、玉城氏は次のように説明した。
「そのように命令(警察庁の辞令)を受けて沖縄県にやって来て、やがてまたどこか他の場所で赴任をしていく、というような状況にあっても、『あなたが本部長でいる間は県民の命と安全を守るために、我々は協力しなければいけないんだ、ということをしっかりと考えてください、連携してください』ということをお伝えし、本部長も『それは理解した』ということで回答している」
9月の訪米では「沖縄県民の声を直に届ける」として、
「沖縄が抱えている様々な問題を解決する必要性について国防総省や国務省などの米国政府そして連邦議会議員、米国の世論にも訴えていきたい」
と話した。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)