パリ五輪卓球女子シングルス決勝における中国ファンの観戦マナーの悪さが、中国で物議をかもしている。地元メディア「捜狐」(ウェブ版)が2024年8月6日に報じた。
女子シングルス決勝は、8月3日に行われた。試合は、21年東京五輪金メダルの陳夢(30)と、世界ランキング1位・孫穎莎(23)の中国代表同士の対戦となり、陳がゲームカウント4-2で孫を下し、2大会連続で金メダルを獲得した。
「チケットを払い戻してくれ」の声も
21年東京五輪女子シングルス決勝と同じ顔合わせとなった決勝戦。第1ゲームは孫が11-4で先取。これで勢い付いたかに思われたが、陳が第2、第3ゲームを連取した。
孫は第4ゲームを取り返すも、陳が第5ゲームを取ると、第6ゲームを11-6で制した。
中国代表同士の決勝戦は、中国国内での注目度が非常に高く、インターネット上では試合内容とともに、観客の観戦マナーに注目が集まったという。
捜狐の記事によると、インターネット上で中国人ファンの観戦マナーの悪さが物議をかもしているという。
問題視されているのは、孫のファンらの観戦マナーだ。記事によると、陳が孫を下した瞬間、孫のファンがブーイングをし、中には「チケットを払い戻してくれ」と叫ぶものもいたという。
テレビ解説者が「偏見解説」で物議
その中でも、ある女性ファンの行為が物議をかもしているという。
その女性は試合直後、優勝した陳に向けて中指を立てたという。この写真がインターネット上で拡散されると、国内の多くの卓球ファンが憤慨。女性に対して批判するコメントが殺到したという。
記事では「この女性の観客は、陳が優勝した後、公然と陳に中指を立てた。この動きは海外にも拡散され、本当に恥ずかしい」と嘆いた。
女子シングルス決勝をめぐり、生中継した中国公共放送局「CCTV」の解説に偏りがあるとして、物議をかもした。
地元メディアによると、「CCTV」の解説を務めた女性コメンテーターが、孫に肩入れするような偏見解説をしたとし、インターネット上で抗議の声が殺到したという。
世界ランキング1位の孫は、今大会安定した力を見せ、準決勝では早田ひな(24)を4-0のストレートで下し、優勝候補の筆頭に挙げられていた。