日本に復活した現代版下宿「異世代ホームシェア」 高齢者と若者が支え合い、双方がwin-winになる秘密は?(2)/第一生命経済研究所・福澤涼子さん

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異世代ホームシェアに大学が取り組む2つのメリット

――異世代ホームシェアは今後、日本に広がるでしょうか。また、広がるためには何が必要だと思いますか。

福澤涼子さん 高齢者の孤立が社会問題になっていますから、ぜひ広がってほしい。しかし、マッチング事業者に聞くと、安い家賃で住みたい若者の需要は大きいのに、住居を提供する高齢者の数が圧倒的に少ない状況です。そもそも、こういう仕組みがあることを知らない人が多い。

小さなNPO法人やシェアハウス事業者が高齢者に声をかけても、怪しまれて一歩踏み出せない人が多いと聞きます。やはり、自治体が前面に出ないと、信用されない面があります。日本の自治体で取り組んでいるのは、京都府と京都府京田辺市、奈良県大和郡山市です。

――東京都や大阪府などが率先して取り組んでくれると、全国の自治体にインパクトがありますね。

福澤涼子さん 大学ももっと前面に出てほしいと思っています。ホームシェアをした学生に聞くと、「これまでは家と大学とバイト先の三角形だけを往復する生活でしたが、家主さの地域の祭りや行事に参加するようになりました」という人が増えています。

――そのことと、大学が前面に出ることと関係があるのでしょうか。大学にはどんなメリットがありますか。

福澤涼子さん メリットは2つあります。

まず1つ目は、大学には「地域貢献」という役割もあるはずです。学生の意識が変わり、地域との交流を大事にするようになれば、学生を使って地元に貢献することになります。

2つ目は、少子化が進み、学生数が減っている大学にとっても入学者を増やすいい機会になります。現在、親の仕送り額が年々減少しているため2時間もかけて自宅から通学する学生が増えています。

異世代ホームシェアを大学がバックアップして、自分の大学のそばに学生が住めるようになれば、学生の進学の選択肢が多くなり、自分の大学に引き寄せることができます。大学と地域にとってもウィンウィンの関係になるでしょう。
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