日本に復活した現代版下宿「異世代ホームシェア」 高齢者と若者が支え合い、双方がwin-winになる秘密は?(2)/第一生命経済研究所・福澤涼子さん

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「困った人」「変わった人」を入居させるリスクも

――いやあ、いい話ばかりじゃないですか!

しかし、若者とホームシェアをすることに問題点はないのでしょうか。

福澤涼子さん 一緒に住むうえで、人間的に、性格的に合わない人がいるものです。変わった人とか、妙に攻撃的になる人とか。そんな人が入居してきて、「ストレスで夜も眠れなかった」という人がいます。

空き室をすべて埋めて、少しでも利益をあげようとすると、そういう少し「う~ん」という意に沿わない人でも入居させてしまう場合があります。異世代ホームシェアでは儲けようと思わないことです。もともと、あまりお金を持っていない若者が対象なのですから。

――夫婦だってそうですが、人間って一緒に暮らしてみないとわからないものですよね。

福澤涼子さん そのとおりです。ある高齢者の方は自分が楽しみために始めたのに、「困った人」のために苦しむのは意味がない。入居者を選ぶようにしてから楽になったと言っていました。特に高齢者の方は自分の家ですので、合わないからと言って出ていくことができません。自分に合った入居者を選ぶということも大切なのかもしれませんね。

――ホームシェアをするうえで大事な注意点は何でしょうか。

福澤涼子さん 基本的なことですが、他人と暮らすわけですから、家の中にいるときはきちんとした身だしなみをすることがルール。また、若者同士の生活とは違って、夜遅くまで騒ぐというようなことはやめましょう。若者同士よりもそうした生活音には気を遣う部分が大きいかもしれませんね。

ただ、入居者同士の人間関係がうまくいっていると、生活音が気にならないという研究もあります。逆に、うまくいっていないと、ますます気になってストレスが高まります。やはり、人間関係を良くすることが一番大切ですね。
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