パリ五輪バドミントン女子シングルス中国代表・何氷嬌(27)の表彰式での振る舞いが、世界的な注目を集めている。
女子シングルス決勝が2024年8月5日に行われ、韓国代表のアン・セヨン(22)が何氷嬌をゲームカウント2-0(21-13、21-16)で下し、金メダルを獲得した。
準決勝でスペイン選手が膝の痛みで途中棄権
惜しくも銀メダルに終わった何氷嬌だが、表彰式での振る舞いがインターネット上で大きな話題を呼んでいる。
表彰式で銀メダルを首にかけた何氷嬌は、右手にピンバッチのようなものでできた小さなスペイン国旗を掲げた。
何氷嬌の振る舞いは、準決勝で対戦したスペイン代表のカロリナ・マリン(31)に敬意を表したとみられる。
4日に行われた女子シングルス準決勝でマリンと対戦した何氷嬌。第1ゲームを14-21で落とす苦しい立ち上がりとなった。
第2ゲームもマリンに先行され窮地に立った。ところが、10-8でリードしていたマリンが、古傷の膝の痛みが再発し、プレー不可能となり途中棄権した。
「小さな行為、大きな心。何氷嬌の優しさと思いやりの行為」
これにより、何氷嬌は劣勢に立たされながらも棄権勝ちで、決勝にコマを進めた。
決勝では惜しくも金メダルを逃したが、表彰式ではマリンを思いやる気持ちを控えめに表現した。
世界バドミントン連盟は公式インスタグラムに、「小さな行為、大きな心。何氷嬌の優しさと思いやりの行為」とのコメントを添え、表彰式での何氷嬌の写真を投稿。
コメント欄には中国語、英語、スペイン語など複数の言語で「本当に良い子みたいですね」「私たちがこれまで出会った中で最も素晴らしい選手の一人です」「なんて敬意ある行為」「尊敬します」「実力もさることながらも人柄も一流」「彼女は真のオリンピック精神を持ち、真のオリンピック選手」「本当にとても礼儀正しくて優しいプレイヤー」など、何氷嬌を称賛するコメントが寄せられた。
何氷嬌の振る舞いを複数の海外メディアが取り上げ、英紙「デイリー・メール」(ウェブ版)は、「パリで銀メダルを受け取る際にスペイン国旗を掲げる中国のバドミントンスターに、ファンは『真のオリンピック選手』と称賛」などと報じた。