最下位に低迷する西武が上昇のきっかけをつかめない。
2024年8月4日の楽天戦(ベルーナ)は10失点と投手陣が崩れて大敗。6月29日以来の連勝はならず、今季ワーストタイの借金36にふくらんだ。
勝利の方程式が確立できず
初回に3点を先制したが、試合の主導権を握れない。
先発の菅井信也は、2回3分の2を3安打3失点で降板。救援陣も踏ん張れない。2番手の水上由伸が4回に、黒川史陽に適時打を浴びるなど2失点を勝ち越された。7回にはヤン、本田圭佑が楽天打線に集中打を浴びて、一挙5失点。試合の大勢が決した。
深刻な貧打が大きな課題だが、今季は救援陣が大量失点を喫する場面が目立つ。救援防御率4.06はリーグワースト。抑えのアブレイユにつなぐ勝利の方程式が確立できていない。
防御率を見ると水上が7.36、ヤンが5.85、本田が4.55と不安定で、実績十分の増田達至、平井克典、甲斐野央がファームで調整している。
「新しい力が出てこないとなかなか連勝はできない」
西武は8月5日現在、29勝65敗で勝率.309。1971年に西武の前身・西鉄が記録した球団歴代最低勝率.311を下回るペースで低迷している。
3位・日本ハムに20.5ゲームの大差をつけられており、CS進出は絶望的な状況だ。
スポーツ紙記者は、
「負けがかさむと目標が遠のいてしまうので、消化試合のような雰囲気になりますが、若手はアピールのチャンスです。先発で武内夏暉、渡邉勇太朗、青山美夏人とイキのいい投手がどんどん出てきている。中継ぎでもどんどん新しい力が出てこないとなかなか連勝はできない」
と危惧を口にする。
残り47試合。ブルペン陣を支える投手が1人でも多く出てくれば、おのずと白星が増えていくだろう。(中町顕吾)