パリ五輪ボクシング女子66キロ級で起きた「性別問題」で波紋が広がっている。渦中のアルジェリア代表・イマネ・ケリフ選手のインスタグラムには、誹謗中傷が書き込まれる一方、多くの祝福と励ましの声も寄せられている。
イタリアのメローニ首相も「対等な試合ではなかった」
2024年8月1日に行われたケリフ選手とイタリア代表のアンジェラ・カリニ選手の試合は、約46秒で終了。ケリフ選手の強い攻撃に耐えきれず、カリニ選手が棄権を申し出た。試合後、カリニ選手は泣き崩れた。
複数の海外メディアによると、ケリフ選手はXY染色体を持つという。23年の世界選手権では性別適格検査で発覚し、出場資格をはく奪された。
これがSNSで拡散されると、ケリフ選手の出場に多くの批判の声が寄せられた。元WBA世界フェザー級王者のバリー・マクギガンさんも、Xで「女性と少女に対する衝撃的で危険かつ極めて不公平な行為」と言及し、出場を認めたIOCを批判した。
複数メディアによると、イタリアのメローニ首相も「対等な試合ではなかった。男性の遺伝的特徴を持つ選手が女子種目に参加すべきではない」などと言及しているという。
国際オリンピック委員会(IOC)は日、「すべての人は差別なくスポーツをする権利を持っています」と声明を発表。「選手の性別と年齢はパスポートに基づいている」と説明している。
ケリフ選手のインスタグラムには1万件のコメント
ケリフ選手のインスタグラムにも、「あなたは女じゃない、完全に男だ」「あなたが男性だったら、女性ボクサーに勝つのは簡単ですね」などと誹謗中傷の声が寄せられた。
一方で、「IQの低いコメントは気にしないで」「4000万人以上のアルジェリア人があなたを応援しています。どんなことがあっても、私たち全員があなたの味方です」といった声も多く寄せられた。アメリカ、ブラジル、メキシコ、アルゼンチンなどのユーザーだとして、励ましの声を送るコメントもみられた。「私はイタリア人ですが、ただあなたにおめでとうと言いたい」「私はイタリア人ですが、メディアがあなたについて報じたことを本当に申し訳なく思っています」といったコメントも書き込まれた。
8月1日、試合後の投稿には、1万件のコメントが寄せられている。