市場から消える企業「情報通信業」が最も多い...最先端企業がなぜ? 技術革新の速さに「情報のプロ」が追いつけない?

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多くの企業が自社でシステム構築できる時代に

   J‐CASTニュースBiz編集部は、最先端企業が多いとされる情報通信業や金融・保険業になぜ市場退出が多いのか、より詳しく事情を探るため、調査を行なった東京商工リサーチの担当者に話を聞いた。

――情報通信業の退出がダントツの多い理由は、ズバリ何でしょうか。

担当者 IT業界は、新規参入業者が多いため、競争環境が厳しい業種となります。経済産業省をはじめ、さまざまな行政や金融機関が創業支援やスタートアップ支援策を出しており、比較的容易に創業することができます。

また、技術革新のスピードが速いため、最新の技術について随時情報収集を行い、将来の需要を見据えた戦略を立てることが必要になると思います。

たとえば、現在、アプリケーション開発などで新たな手法として広まっているのが「ノーコード(no-code)」や「ローコード(low-code)」と呼ばれているものです。

――それは、どういうことですか。

担当者 「コード」(code)は、ひもやケーブルではなく、コンピューターで処理する内容を記述した「ソースコード」(source code)を指します。両者の違いはソースコードを記述する量で、ノーコードはソースコードを書かない開発、ローコードはソースコードの記述量を最小限に抑える開発です。

GoogleやAmazonなども「ノーコード」「ローコード」の開発市場に参入しており、さまざまな「ノーコード」「ローコード」の開発プラットフォームが存在しています。

いずれにしろ、情報通信業以外の多くの企業が「ノーコード」「ローコード」に注目して、そのプラットフォームの導入が加速しています。導入されれば、システムを自社で構築できるうえ、開発のスピードが飛躍的にあがります。

導入した企業が自社開発に移行(システムの内製化)すれば、情報通信業を含めた他社開発の割合が減少することが考えられます。

――つまり、逆に情報通信業の出番が少なくなることもありうるわけですか。

担当者 「ノーコード」「ローコード」はほんの1例で、情報通信業を取り巻く環境は日々激変しています。その動きについていけず、将来を見据えた戦略を立てられない企業は去ることになります。
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