公立だと月々数千円に抑えられるが、民間だと数万円
J-CASTニュースBiz編集部は、研究顧問として同調査を行い、雇用労働問題に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに話を聞いた。
――こども家庭庁の調査でも、学童の待機児童が増えています。「♯学童落ちた」のハッシュタグが付いたSNSが拡散、働く母親が学童に落ちたために、フルタイム勤務をあきらめる「小1の壁」問題が報じられています。
その一方でしゅふJOB総研の調査結果では、保育園探しより「ラクだった」という人がかなり多いですが、この違いは何でしょうか。
川上敬太郎さん 学童探しはラクだったと回答した人が過半数あったものの、それはあくまで全体の傾向であって、生活環境や地域など、置かれている状況によって個々に実情は大きく異なると思います。
一方、以前保育園について調査した際には、「保活が大変」と答えた人は8割におよびました。学童の場合は小学校の敷地内に設置されていることが多くて探しやすいことや、保活に比べるとお子さんが成長して子育てに手がかからなくなっていることなどが影響しているのかもしれません。
ただ、学童探しが大変だったと回答している人も3割におよんでいます。保育園に比べて入りやすいと考えていたとしたら、学童に入れなかった場合の衝撃はむしろより大きくなるかもしれません。結果、預けることが出来なかった人が2割いることは、決して軽視できない数字だと思います。
――公立の学童では小3までの所が多いです。また、運営方式が「公立公営」「公立民営」「民立民営」と分かれており、それぞれ値段や、質、特色の違いがあります。こうした違いを川上さんはどう考えていますか。
川上敬太郎さん 個々の施設ごとに特色はあると思いますが、大きいのは利用料金の差だと思います。公立だと月々、数千円に抑えられるのに対し、民間だと数万円とケタが変わってしまいます。
それだけ教育などのサービスが充実していたり、預かり時間の融通が効いたりといったメリットもあるので、一概に良し悪しは言えません。ところが、やはりできる限り出費は押さえたいと考えるご家庭が多いのではないでしょうか。
調査では、「希望の施設に預けることができた」と回答した人が7割超でした。当然ながら、望ましいのは全員が希望の施設に預けられることだと思います。今後、学童の待機児童がさらに深刻化していくと、希望の施設に預けられる人の比率が下がっていくことも懸念されます。