電話によるカスハラ被害者の「不眠、通院、休職、退職」問題 コールセンター担当者「それでも以前より改善」

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たしかに「シニア層」のカスハラの割合は高いが

   それでは「環境改善」とはどういうことなのだろうか。

「以前はカスハラという言葉もなかったので、お客様を否定的に見ることすら許されなかったのです。しかし今では、お客様であっても不当な発言は許されない、というスタンスがようやく固まりつつありますし、それを前提として、会社が社員を守ってくれる仕組みもできつつあります」

   以前はどんなスタンスだったのか。

「お客様を批判せず、いかにハラスメントをかわして会社の目的を達成するか、という対処が現場にゆだねられていました。その中で生み出されるテクニックにはたしかに使えるものもありましたし、プロとしては必要悪だと今では思えますが、傷ついて辞めていった仲間を振り返ると複雑な気持ちですね」

   カスハラについてどう考えているだろうか。

「厚生労働省の資料にカスハラ加害者の説明として『社会的地位の高い人、高かった人、定年退職したシニア層などに傾向が見られる』とあって批判されましたが、そういう人たちが威張り散らすタイプのカスハラをする割合が高いのは事実です。おそらく精神的・心理的な要素や老化、疾患も関係していると思うので、他の人たちとは違う対応が必要だと考えています。とはいえ、それ以外の属性の方、たとえば若者や女性でもカスハラをする人はいるので、決して一概にはいえないことは知っていただきたいです」
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