「その他サービス業」の内訳は
電話によるカスハラ発生が少ない業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」と「鉱業、採石業」が2.1%、「郵便局、農業協同組合等」と「学術研究、専門・技術サービス業」が2.2%で並んでいる。
一方、電話によるカスハラ発生が多い業種は「その他サービス業」が17.4%と最も多く、次いで「医療、福祉」が14.7%、「卸売業、小売業」が14.1%、「製造業」が11.1%と続いている。
調査結果には詳しい業種の中身が書かれていないが、「その他サービス業」とは具体的にどのような仕事なのだろうか。
最新(2023年7月改定)の日本標準産業分類によると、「大分類R」に「サービス業(他に分類されないもの)」があり、その内訳として「88 廃棄物処理業」「89 自動車整備業」「90 機械等修理業」「91 職業紹介・労働者派遣業」などと並んで「92 その他の事業サービス業」がある。
その下には「920 管理、補助的経済活動を行う事業所」「921 速記・ワープロ入力・複写業」「922 建物等維持管理業」「923 警備業」とともに「929 他に分類されない事業サービス業」がある。
さらにその下には、催事などの展示に関わる「9291 ディスプレイ業」や「9292 産業用設備洗浄業」「9293 看板書き業」「9294 コールセンター業」「9295 ペストコントロール業」があった。なおペストコントロール業とは「主として人間にとって有害な生物等(害獣・害虫、細菌、ウイルス) の防除・駆除・消毒を行う事業所」を指す。
いずれも電話によるカスハラを受ける可能性のある業種だが、やはり筆頭は「コールセンター業」だろう。
長年コールセンターで働いている40代女性は、それでも最近はかつてより職場環境はよくなっているのではないかという。
「就職氷河期でなかなか内定が出ず、ようやく銀行系のクレジットカード会社に滑り込んでホッとしていたら、コールセンター配属という辞令を聞いてビックリして...。仕事が始まるといきなり暴言や脅迫の嵐で、同期入社がどんどん辞めていきました」