電話によるカスハラ被害者の「不眠、通院、休職、退職」問題 コールセンター担当者「それでも以前より改善」

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「過去3年以内に電話によるカスタマーハラスメント(カスハラ)を受けたことがある」

   そう回答した全国の25~60歳の男女に、内容を尋ねたところ(複数回答)、大声や罵倒などの「暴言」が65.3%、30分以上の通話など「長時間にわたる電話」が55.0%を占めた。

   毎日かかってくる、日に何度もかかってくるなどの「繰り返しにわたる電話」が39.6%、◯◯しないと××するぞといった「威嚇・脅迫」が35.9%。性的な発言を含む「セクハラ」に遭った人も18.1%いたという。

  • カスハラが社会的な問題に
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女性従業員にのみ「性的な質問」をする男性客も

   この調査は、「トビラフォン Biz」「トビラフォン Cloud」を提供するトビラシステムズによるものだ。このような深刻なハラスメントにもかかわらず、勤務先でカスハラ対策をされていると答えた人は37.4%どまりだった。

   カスハラ対策が行われず放置されている理由は「対応できる部署がなかったから」が52.2%、「企業が対策の必要性を感じていなかったから」が39.0%。具体的なカスハラの内容について、自由記述には以下のような回答が寄せられている。

「こちらは何も悪くないのに『嘘をつかれた。嘘つきな店員は辞めさせろ』と長時間にわたり電話で叱責をうけた」(20代女性)
「毎朝毎夕電話をかけてこられ、自分勝手な要望やそれが通らないときに怒涛のクレームをつけてくる。電話一回あたりの時間は一時間以上」(40代男性)
「『お前は馬鹿か』など自身の存在を否定されるような言葉を毎日言われた」(30代女性)
「女性従業員にのみ性的な質問をしてくる。男性従業員に代わった途端に電話が切れる」(30代女性)

   いずれも正当なクレームとはとても思えないものばかりだ。

   電話によるカスハラを受けたことで心身に影響があったかを問うと(複数回答)「怒りや不満、不安を感じた」と答えた人が66.1%、「仕事に対する意欲が減退した」が49.8%もいた。

   このほか「仕事に恐怖を感じるようになった」「眠れなくなった」「異動や退職をしたいと感じた」「会社を休むことが増えた」「通院や服薬をした」「休職した(2週間以上)」「退職した」と回答した人たちもいる。

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