パリ五輪柔道男子60キロの準々決勝の判定をめぐり、永山竜樹選手と対戦したスペイン代表・フランシスコ・ガルリゴス選手に、日本人から誹謗中傷が寄せられている。
スペインのスポーツ紙「アス」が報じた。
「待て」後の寝技、日本側が抗議するも覆らず
試合中、ガルリゴス選手は主審から「待て」がかかった後も約6秒間にわたって寝技を続行。永山選手は失神状態となり、一本を取られ負けとなった。永山選手はガルリゴス選手との握手を拒否。試合後も畳に残り不服の意を示し、鈴木桂治監督らも抗議したが、判定は覆らなかった。
全日本柔道連盟の金野潤強化委員長によると、永山選手は「待て」の声が掛かった時点で力を抜いたところ、ガルリゴス選手が締め技を続行したことで失神してしまったという。
一方「アス」の報道によると、ガルリゴス選手は場内の音で審判の「待て」に気づかなかったものの、永山選手が近づいてきたので放したという。「畳の上で失神してしまうことは、ライバルの勝利を意味する。常にそうだったし、ルールは誰にとっても同じです」と話したと報じている。
スペインコーチ「理解できない」
この疑惑の判定は日本のSNSでも波紋を広げた。ガルリゴス選手のインスタグラムには、「ルール守れないなら柔道やめろ」「日本に来ないで下さい」などと批判する日本語のコメントが書き込まれた。
「アス」によると、スペインのキノ・ルイスコーチは、「ガルリゴスは不快なメッセージを受け取ったが、私には理解できない。彼らは正しくないと思うし、私はフラン(ガリゴス選手)を死ぬまで守るつもりだ」と話したという。
さらに、コーチは次のように語ったとも報じられた。
「彼はよく練習で日本を訪れるが、もう行くな、評判が良くないと言う人もいる。ガルリゴスのやったことは不名誉なことだと言うが、理解できない」
「永山選手は負け方を知らなければならず、エレガントでいなければならない。なぜガルリゴスに挨拶をしなかったのか。彼は眠ってしまったじゃないか。フランは試合に勝つためにここに来た」