「インティマシー・コーディネーター」は映画制作者を「邪魔する人」ではない 浅田智穂さんに聞く意義と役割

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「作品に入ってもらってよかった」という声を増やしたい

   映像業界でのインティマシーシーンへの認識について、浅田さんは「実際変わってきていますし、依頼も増えています」という一方、業界の人の中にも「言葉は聞いたことがあるけど、何をする人なのか分からない」という認識の人も多いと感じている。

「先日も現場スタッフから、撮影で私と会うまで『ICって、私たちの邪魔をする人だと思ってたけど、全然違うんですね』って言われたくらいです。ただ、撮影を経て『大切なお仕事』とおっしゃってくださったので、そう思ってくださる方を私は1人でも増やしていくことが大切だと思っています」

   浅田さんによると、過去に参加した作品の俳優やスタッフが「すごく良かった」として別の作品に浅田さんを紹介するケースも多い。業界におけるICの認知度向上のためには、「作品に入ってもらってよかった」という実績を積み重ねるしかないと話す。

「ネガティブな騒動で話題になっているのがとても残念」

   浅田さんは現在、ICの育成も行っている。IPAのカリキュラムを教えており、受講者は受講完了すると、IPA認定の資格を取得できる。同意とは何か、ジェンダーやセクシャリティ、 ハラスメント、トラウマ、台本の読み方や監督や俳優との接し方などについて、座学とワークショップで100時間以上かけて学ぶという。

   浅田さんは今回ICが世間的に話題になったことについて、

「ポジティブな話題で認知されたかったのに、今ネガティブな騒動で話題になっているのがとても残念です。私としては、ICがもっと普及して、話題にならないぐらいのところまで持っていきたいんです」

と話した。

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