男子サッカーの国際親善試合で、フランスチームの公式Xが日本の略語として「JAP」の表現を使ったことに対し、日本人差別ではないかとの意見が一部で出て、波紋が広がっている。
英語のJAP(ジャップ)は侮蔑語ともされるため、なぜ国名コードの「JPN」を使わなかったのかという問題だ。外務省では、「フランス語でも、基本的にはJPNが使われると思います」と取材に明らかにした。
フランス語「JAPON」の略語で使われることがある?
フランス対日本のプレートを下に置いて、U-23フランス代表のイレブンがカメラを前にポーズを取っている。
この写真は、仏男子サッカーチームの公式Xで2024年7月18日に投稿された。投稿の文章では、フランスと日本の国旗が並べられた横に「#FRAJAP」と書かれ、ハッシュタグでの投稿を促していた。
ただ、その下には、「JAPは日本人差別としてよく使われてきており、通常は、JPNが3文字による略語として使われています」と英語でコミュニティノートが付けられている。
17日は、パリ五輪を前に、U-23日本代表との親善試合がフランスで行われ、日本は、優勝候補のフランスチームと1-1のドローに終わった。この試合について、フランスチームの公式Xは、他に10ほどの投稿をしており、どれも「#FRAJAP」と書かれていた。なお、ヨーロッパでのサッカー人気を反映して、公式Xには、635万人のフォロワーがいる。
フランスチームがJAPと呼んで日本人を差別しているとの声が一部で出て、22日には、在日フランス大使館の公式Xに抗議したとする投稿も出た。この投稿は、その後にまとめサイトが取り上げるなどして拡散し、様々な意見が出て議論になっている。
在日フランス人などからは、JAPは、フランス語「JAPON」の略語で使われることがあるとされ、その例とされる写真もいくつか投稿された。他のヨーロッパ諸国でも、JAPと使うことがあるとして、いくつかの事例も挙げられた。
外務省「JPNが日本の国名コードとの認識です」
また、フランスチームには、日本人を差別する意図はなく、X投稿の担当者がミスをして書いてしまっただけではないかとの意見もあった。
とはいえ、五輪の会場では、「JPN」の表示だったとして、フランスチームはJAPと故意に書いたのではないかとの見方も根強く、議論が続いている。
フランスでは、日本をフランス語の略語で呼ぶときは、JAPとすることが普通なのだろうか。
この点について、外務省の西欧課は7月26日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「基本的に、フランス語でも、JPNが使われていると思います。日本の国名コードとの認識です。フランスで、一般の人たちがJAPと使っているかどうかについては、コメントする立場にはありません」
フランスチームがJAPと使ったことについて、五輪などの交流事業を進めている外務省の人物交流室は同日、「ナショナルチームという民間のことですので、どのような表現を使っているかについてコメントする立場にはありません」と答えた。
在日フランス大使館の広報部にも、取材依頼しているが、同日19時までには回答がなかった。回答があり次第、追って伝える。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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— Equipe de France ⭐⭐ (@equipedefrance) July 17, 2024
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