東大副学長、週刊文春編集長らが「ネット時代の報道」考える 日本インターネット報道協会、サイトリニューアルで連続インタビュー

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江上剛氏「最近の新聞は、ニュースではない『読み物』がやたらと多い」

   上智大の佐藤卓己教授(メディア史)は「流言は『最も古いメディア』ともいわれます。人間は文字を発明する前まで、ひとから聞いた話を誰かに話して伝えていた。情報の『受け手』が『送り手』になるわけです。そのプロセスは基本的に、現在のSNSと同じです。つまり、流言とは最も原始的なコミュニケーションのスタイルであり、人間の原初的な欲求に合致しており、それによって人々は盛り上がることができます。

   これと比べると、報道とは、より文明化された概念です。そこでは情報の『送り手』と『受け手』が区別されています。人間社会の歴史的な発展のなかで、コミュニケーションの流れは流言から報道に進んでいったといえます」と流言と報道の関係を説明した。

   経済広報センターの佐桑徹常務理事は「日本の企業が直面している問題はむしろ、ネットの炎上やクレーム対応。これに加えて、これからはフェイク画像への対応が大きな課題になってくる」と話す。

   作家の江上剛氏は「新聞や週刊誌はネットの速報性に負けています。ネットのスピードに世の中のみんなが慣れてしまっている。最近の新聞は、ニュースではない『読み物』がやたらと多い。ちょっと有名な人の解説も多い。『これは週刊誌か』と思うぐらいです」と話している。

   協会ウェブサイトは(https://www.inaj.org/)から。

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