信長に仕えた黒人の「弥助」を侍に仕立てたゲームが炎上 仏メーカー「フィクション」と釈明、それでも批判収まらず

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   織田信長に仕えた黒人の「弥助」を侍に仕立てた人気アクションゲームのシリーズ最新作「アサシン クリード シャドウズ」について、日本文化を軽視しているとネット上で不満がくすぶっている。

   その背景には、販売元の仏メーカー「ユービーアイソフト」が当初、史実に忠実などとPRしたことから、海外に誤ったイメージが広がるとの懸念が出ていることがある。同社はその後、フィクションだと公式サイトで強調したが、具体的な改善内容が見えないとして、批判は収まっていない。

  • シリーズ最新作(プレスリリースから)
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信長に仕えた弥助が侍であった史実はないと疑問が出る

   このゲームは、安土桃山時代の日本を舞台に、黒人の侍「弥助」と女忍者「奈緒江」が戦乱の世で次々に敵を暗殺していくというストーリーだ。ユービーアイソフトが2024年5月16日に発表し、11月15日に9790円 (税込)で発売予定としている。

   ところが、日本が舞台にも関わらず黒人を主人公にしたことで、政治的正しさを求める、いわゆる「ポリコレ」ではないかと海外で批判が出たほか、日本では、ゲームのディレクターがメディアに答えたことや公開されたゲームの映像内容などに疑問の声が上がった。

   ディレクターらがインタビューで、歴史上の人物や当時の出来事を忠実に描いており、ゲームを楽しみながらその時代を学ぶことができるとPRした。これに対し、信長に仕えた弥助が侍であったかについて、そんな史実は示されていないと反感を呼んだ。ゲームのシリーズは、これまで時代再現の細部にまでこだわっていたが、今回の映像は、帯刀が右であったり、畳が正方形だったりしたため、日本文化軽視ではないかとの声も上がった。

   6月に入ると、「アサシンクリードシャドウズの発売中止を求めます」と題する署名活動も「Change.org」のサイトで始まった。

   そこでは、「Ubisoft は侍の本質と役割を誤解し続けています」として、「これは日本の文化と歴史に対する深刻な侮辱であり、またアジア人種差別に結びつく可能性があります」と指摘している。この署名活動には、9万7000件以上の賛同が寄せられている。

「フィクションとノンフィクションを曖昧にしたままでは」

   ゲームソフトに対し、ネット上で批判が高まったことを受け、ユービーアイソフトは7月23日、「『アサシン クリード シャドウズ』開発チームより、日本の皆さまへ」と題する声明を公式サイトに出した。

   そこでは、「史実や歴史上の人物を再現する目的で作られたものではありません」として、「あくまでも歴史上の実在の出来事や人物にインスパイアされたフィクション作品です」と理解を求めた。

   ただ、「弥助は侍として描写されますが、この点が議論の的となっていることは私たちも認識しております」とも言及した。「プロモーション素材の一部に監修が行き届かず、日本の皆さまにご懸念を生じさせることとなってしまいました」とも認めた。そして、「皆さまからいただいた建設的なご意見に基づき、ゲームを皆さまにお届けするその時まで、そしてその先も、改善の努力を続けてまいります」とした。

   問題視されたことについては、「歴史表現に情熱を傾ける私たちにとって、豊かな歴史と文化の忠実な表現を憂慮される皆さまのご意見は深く尊重されるとともに、日本の皆さまにご懸念を生じさせたことについて、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。

   ネット上では、「初めて戦国時代の舞台になったゲームにワクワクしてる」との声もあったものの、ユービーアイソフトの釈明や謝罪だけでは納得できないという声が根強い。

   「何故今までみたいに架空のキャラにしなかったのか」「フィクションとノンフィクションを曖昧にしたままでは」「肝心な部分は全く触れていないし謝罪にもなっていない」と疑問が噴出している。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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