フジテレビ系列で恒例の「FNS27時間テレビ」が2024年7月20、21日に放送され、昨年に引き続き「100㎞サバイバルマラソン」企画が行われた。SNSでは、ランナーが走る姿に感動したとの声が多く寄せられた一方、タレントの井上咲楽さんがドクターストップでリタイアしてしまったこともあり、企画の決行や安全管理に疑問の声も上がった。
6週間後には、同じくマラソン企画がある「24時間テレビ」(日本テレビ系)の放送が控える。27時間テレビの出来事を機に、24時間テレビのあり方にも改めて注目が集まっている。
23年の完走者・井上咲楽さんのドクターストップにSNSが反応
「100㎞サバイバルマラソン」は、「100kmの道のりを、必要以上に休憩時間を取らずに走った場合、一体いつゴールできるのか?」を検証する企画。挑戦する18人のランナーは、一定のペースで走る先導車から引き離されてしまうと脱落となる。残り3キロ地点で先導車が外れ、ランナーは自分のペースで走り1位を争う。
特に感動を呼んだのは、スタート直前に離婚を発表した俳優の森渉さんと声優の金田朋子さんだ。先にゴールしていた森さんが、ゴールテープ前で金田さんを待ち、2人は手をつないでゴール。森さんは「宇宙一自慢の元妻ですね」とコメントした。
一方、23年は女性で唯一の完走者だった井上咲楽さんは20日深夜、ドクターストップにより48キロ地点で脱落。急性胃腸炎による脱水症状だという。井上さんはぎりぎりまで走り続ける意思を見せ、ドクターストップがかかった際には悔しがる様子が放送された。
また、この2日間の東京の最高気温は、20日35.8度、21日34.6度。全国的にも30度を超える場所が多く、暑い休日となった。
井上さんのドクターストップでのリタイアをきっかけに、SNSでは「もう根性でどうにかなる気候じゃなくなってるのよ 季節を変えるなど、見直ししないといけないんじゃないの」「スタッフは熱中症と酷暑舐めてるだろ」「あの酷暑の中でガチでマラソンなんて無茶苦茶だ」など、夏の時期のマラソン企画の実行への疑問の声が上がった。
フジテレビが説明する安全管理体制
実際には、どのような安全管理体制が取られていたのか。フジテレビの広報宣伝部の担当者は、「ロケ現場に外科医・内科医・救命救急士・看護師が帯同。常に出演者の様子を確認していただける体制をとり、緊急時には近隣の医療機関に搬送できるよう連携をとっておりました」と説明した。
さらに、出演者にも「異変を感じたらすぐにスタッフに知らせるよう」に伝えていたという。具体的には、次のように説明した。
「客観的にも帯同する医療チームが目視にて異変を感じた場合にはドクターストップを含めた対応が即時できる体制を組んでおりました。スタッフ含め水分補給、涼しい服装で日よけ対策を行う、適度に休憩をとるなど熱中症対策および安全対策を講じて、都内より比較的涼しい福島県で実施いたしました」
24時間テレビには「毎回、スタート夜ですよね?」のツッコミ
井上さんのドクターストップを機に、同じくマラソン企画のある8月31日、9月1日放送予定の「24時間テレビ」(日本テレビ系)への懸念も改めて噴出している。同番組では、元自衛官のお笑い芸人・やす子さんが市民ランナーとともにチャリティーマラソンに挑戦。集まった寄付金は、全国の児童養護施設に使われるという。
7月21日放送の「シューイチ」(同)では、岩田絵里奈アナウンサーが、暑さ対策として「今回のスタートなんですが、気温が下がってくる夜の8時頃を予定しております。スタート地点の過去10年間の平均気温はおよそ26度」と説明した。さらに水分補給の徹底、専門スタッフによるペース管理を行い、無理なく走ることができる環境を整えるという。
しかし、23年の同番組のスタートも20時頃だ。この対策にSNSでは、「今は夜でも暑い」「元からスタート夜だし、夜のうちにゴールならその理屈でいいけど、翌日の昼間でしょうよ!」「毎回、スタート夜ですよね?睡眠不足のタイミングで酷暑の昼間も走るんですよね?」といった疑問の声が寄せられている。