中国メディア「捜狐」(WEB版)が2024年7月20日、女子バスケットボールの特集記事を公開し、U18中国代表チャン・ツーユウ(17)が、パリ五輪代表入りできなかった理由を分析した。
「チャンの不在は間違いなくこの宴に一抹の悔しさをもたらした」
チャンは身長223センチを誇る大型センターで、6月に地元の中国・深センで開催された「FIBA U18 女子アジアカップ2024」で国際大会デビューを飾った。
同メディアは、チャンがパリ五輪代表から外れたことについて、「注目を集める代表リストの中にチャンの名前はなく、間違いなくこの宴に一抹の悔しさをもたらした。チャンの不在は、星空の中で最も明るい星が突然消えるようなものです」と表現した。
そして、チャンの国際デビュー戦となった「FIBA U18 女子アジアカップ2024」での活躍を紹介し、「チャンにとってここが新たな章の始まりとなった」とした。
チャンは身長223センチの圧倒的な高さを生かしゴールを量産。デビュー戦となった6月24日のインドネシア戦では、13分の出場で19得点7リバウンドを記録。第2戦のニュージーランド戦では、23分出場して36得点13リバウンドと活躍した。
第3戦の日本戦では44得点、14リバウンドを記録し、準決勝の韓国戦では34得点、16リバウンドの活躍を見せ、チームを勝利に導いた。オーストラリアとの対戦となった決勝戦では、チームは79-96で敗れたものの、チャンは42得点、14リバウンドで大会MVPに選出された。
突如現れた17歳の新星。地元メディアによると、チャンのパリ五輪代表入りがファンの間で期待されるも、候補に挙がることなく見遅れられたという。
なぜ代表入りできなかったのか。
「捜狐」は、「彼女の不在は偶然ではなく、いくつかの要因が重なった結果だ」とし、次のように分析した。
「世界トップクラスのセンターとの間にはまだ一定のギャップが」
「チャンは若手選手の中で頭角を現していたが、より高いレベルの社会人の試合で、より激しい守備や対決に直面すると、シュートが不安定になり、シュート成功率が急激に低下した。これは、現場での適応力や絶対的な強さの点で、世界トップクラスのセンターとの間にはまだ一定のギャップがあることを示している」
次に挙げたのが「経験不足」だ。
17歳のチャンは、五輪代表に入った選手と比べて圧倒的にキャリアが不足しており、これはチームがパリ五輪で安定した成績を収めることにおいて、大きな影響をもたらすと指摘した。
さらに、代表チームとチャンの連携にも言及した。
「チャンはこれまで長い間代表チームで練習や試合をしたことがなく、チームとの連携が欠けていた。バスケットボールは暗黙の理解と協力が重要なチームスポーツ。したがって、チャンの加入はチーム全体の調整と戦術実行に影響を与える可能性がある。同時に、チャンの技術的特徴は、現在の中国チームの速くて柔軟な戦術スタイルと完全には一致していない。彼女のプレースタイルは比較的単純で、身長の利点に頼りすぎており、より多くの相手と対戦すると制限される可能性がある」
チャンの「FIBA U18 女子アジアカップ2024」での活躍は世界的に注目を集め、米メディア「CNN」が特集記事を組んだほどだ。中国メディアはチャンを「国宝」と評し、将来に大きな期待を寄せている。
「捜狐」の記事では、「オリンピック代表メンバーを選出する際、選手の競技状況だけでなく、選手の怪我やチームとの協力、総合的な競技レベルなども慎重に評価している。コーチはメリットとデメリットを比較検討した結果、チャンをオリンピック代表から除外する決定を下した。これはファンにとっては残念なことだが、チーム全体の利益にもなる」との見解を示した。
パリ五輪女子バスケットボールは、12チームが参加し、3組4チームに分かれて予選ラウンドが行われる。グループAの中国は、スペイン、セルビア、プエルトリコと対戦する。グループCの日本は、米国、ベルギー、ドイツと同組に入っている。