将来のキャリア、何も考えない日本人多すぎ! 日米比較で判明「会社と上司は何もしてくれない...人生の可能性に目を」/リクルート・近藤裕さん

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転職が当たり前の米国、上司も転職を後押しする

――【図表4】の上司のアドバイスの日米差も、非常に面白いです。日本では、「仕事がうまくいくよう助言や指導をしてくれる」という項目が多い一方、「キャリアの新たな挑戦を後押ししてくれる」や「キャリアに関して気づきを与えてくれる」が少ないことが目立ちます。

この差は何を意味しているのでしょうか。人材の流動化が高いか、低いかの違いでしょうか。

近藤裕さん 日本では、目の前の仕事に対するフォローはされていることが多い一方で、キャリアについて上司と会話する風土がアメリカより弱いということだと考えます。やはり、人材の流動性の影響は大きいと言えるでしょう。

日本では上司の方自身も、これまでの雇用慣行の中では上司とキャリアについて話す機会がなかったのではないでしょうか。

一方で、アメリカでは転職が当たり前です。次にどうしたいか? 何をしていくべきか? は考える機会が多く、そういったことを当たり前に考えているからこそ、キャリアについての会話の機会が日本より多いと思います。

――若い層やミドル層は、キャリアの自律について、ズバリ、どうすることが一番重要だと考えますか。

近藤裕さん キャリアについて考えるときは、「在籍会社」という枠組みから一歩外に出てみることが大事だと思っています。

そのためにはまず、今の仕事の外にある「大きな可能性」(転職市場や副業、ボランティア、地域)について定期的に情報収集をすること。そして相談先を、「仕事」の関係者に閉じず、第三者に広げて「対話」をすること、考えたり話したりする「機会」をもつことが非常に重要だと思います。

また、「仕事」だけではなく、「仕事」を包含した「人生設計」について考えることも重要で、そのプロセスを通して自身の「人生」や「キャリア」の価値観を自己理解することができると、可能性や機会が広がっていくと思います。

こういった「キャリアについて考える時間」は一度きりにせず、定期的に(例えば半年に1回など)できるといいでしょう。我々としても、タイムリーな労働市場の情報提供や、転職を具体的に考えていない方のキャリア相談についても力を入れているところです。
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