「新たな知識を得る」「能力を試す」というポジティブな理由
――やはり、転職志向が3割近くいるわけですね。ところで、企業の人事担当者や上司は、これから入ってくる新入社員の多くが「副業」を検討していることをどう受け止めて、どう対応していけばよいと考えていますか。
中島英里香さん 今回の調査はまだ入社をしていない学生へ「イメージ」を聞いているものです。実際に入社して収入を得ることで考えが変わることも十分考えられますので、特別に何かを行う必要はないと思います。
しかし、副業が選択肢に含まれているという点については、認識していただいていたほうが学生の理解につながると思います。
――今回の調査で、特に強調しておきたいことがありますか。
中島英里香さん 今まで副業は金銭的に苦しくなった際の手段としてとらえられていることが多かったかと思います。しかし、調査では副業に対して「新たな知識や経験を得るため」「自分自身の知識や能力を試してみたい」といったポジティブな回答が一定数見られました。
学生のキャリア観の変化とも言えますし、テクノロジーの進歩によって以前よりも副業を行うハードルや種類、手法が増えたためとも言えると思います。
学生が副業を考えることに対してネガティブにとらえるのではなく、個々人の副業をしたいという気持ちの背景を知ることが重要だと考えられます。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)
【プロフィール】
中島 英里香(なかしま・えりか)
株式会社マイナビ キャリアリサーチラボ研究員
2016年マイナビ入社。新卒採用の求人広告営業を経て、採用管理システム担当として東日本の中小企業・大手企業の新卒採用支援や採用業務代行などを行う。現職では新卒領域の調査を担当。