スマホの利用ルール「破りがち」夏休み前に...親子で話し合おう! 「見直しが大切な3つの理由」専門家がアドバイス

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   もうすぐ夏休み。小中学生の子どものスマホ利用機会が大幅に増える時期だ。

   だからこそ、NTTドコモの研究機関、モバイル社会研究所(東京都千代田区)では、「夏休み前に『スマホの利用ルール』親子で話し合いませんか~小学生高学年の約6割がスマホの利用ルールを破ってしまう」(2024年7月10日付)と呼びかけている。

   子どもとどんな話し合いをすればいいのだろうか。調査担当者に聞いた。

  • 子どものスマホ利用法、夏休み前に話し合おう
    子どものスマホ利用法、夏休み前に話し合おう
  • (図表1)小中学生のスマホ親子間ルール(モバイル社会研究所調べ)
    (図表1)小中学生のスマホ親子間ルール(モバイル社会研究所調べ)
  • (図表2)設定した親子間ルールを破ってしまう割合(モバイル社会研究所調べ)
    (図表2)設定した親子間ルールを破ってしまう割合(モバイル社会研究所調べ)
  • (図表3)利用時間のルールを破ってしまう割合(モバイル社会研究所調べ)
    (図表3)利用時間のルールを破ってしまう割合(モバイル社会研究所調べ)
  • (図表4)スマホを使い過ぎてしまう理由(モバイル社会研究所調べ)
    (図表4)スマホを使い過ぎてしまう理由(モバイル社会研究所調べ)
  • 子どものスマホ利用法、夏休み前に話し合おう
  • (図表1)小中学生のスマホ親子間ルール(モバイル社会研究所調べ)
  • (図表2)設定した親子間ルールを破ってしまう割合(モバイル社会研究所調べ)
  • (図表3)利用時間のルールを破ってしまう割合(モバイル社会研究所調べ)
  • (図表4)スマホを使い過ぎてしまう理由(モバイル社会研究所調べ)

ルールを破る子どもが一番多いのは、小学高学年

   モバイル社会研究所の調査(2023年11月)は、関東1都6県の小学生および中学生とその親600人が対象だ。

   まず、小中学生にスマホを持たせている親に、子どもとどんなルールを結んでいるかを聞いたのが【図表1】だ。

   みんなしっかりルールを決めており、1つもルールを設定していない親は、小学校低学年は0%、高学年でも1%、中学生になっても5%と少ない。

   学年を問わず、料金・課金に関する項目の割合が高い。小学生では時間・場所のルール、中学生になると、SNSを使い始めるので個人情報に関するルールが上位にくる。

   親に、子どもが設定したルールを破り、困った経験があるかを聞いた【図表2】。小学生高学年が約6割(58%)と最も高い。

   別の調査では、スマホを持たせ始める子どもの平均年齢は10.6歳で、小学生高学年が最も多い。スマホを使うのが面白くて仕方がない時期だから、ついつい使い過ぎてしまうようだ。

   破られてしまうルールで最も多いのが「利用時間」で、小学高学年では半数(49%)に達する【図表3】。次に多いのが「食事中は使わない」というルール(16%)だが、そのほかのルールで破られた経験は、いずれも1割以下だった。

   スマホを使い過ぎてしまう理由のトップは「楽しくてやめられない」。次に「暇つぶしのため」だが、学年が上がると、友だちに関する理由が増えてくる【図表4】。

夏休みは、子どものライフスタイルや交友関係が変わる

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったモバイル社会研究所の水野一成さん(子ども・防災・シニア調査担当)に話を聞いた。

――【図表1】をみると、ずいぶん詳細に子どもとルールを結んでいる親が多いことに驚きました。しかも、1つもルールを設定していない親がほとんどいません。これほどしっかり管理しているなら、何も夏休み前だからといって話し合わなくてもいいのでないですか。

水野一成さん 夏休みを前に話し合いをお勧めしたのには理由があります。まず、前提として子どものライフスタイルや交友関係が変わると、スマホの使い方も変わる可能性があります。

また、当初ルールは設定していても、日々の生活の中で形骸化してしまっていることも多いと思います。そのため、一度作ったルールも定期的に見直す必要があります。それをまとめると――。

(1)夏休みに入り、生活リズムが変わる(時間ができる)、(2)普段と違った交友関係になる(学校以外での活動・交友が増える)、(3)新しい学年が始まってから4か月が経ち、一度見直しをするに適した時期、ということになります。

――なるほど。親子で設定するルールで、学年を問わず上位にくるのは「勝手に課金・ネット購入をしない」ですが、ペアレンタルコントロールをすれば、勝手に課金はできないと思います。小学低学年でも上位にくるのはなぜでしょうか。

水野一成さん ルールを設定する上で、親子間で話し合いを行うことが多いと思います。

ペアレンタルコントロールで規制すれば、課金などできないと思われますが、ネットで購入する仕組みや意図せず課金してしまうことのリスクなどを、ルールを設定する中で教えているのではないでしょうか。

また、特に低学年の場合、子ども専用のスマホ利用よりも家族共用のタブレットなどを利用している場合も多いため、一概にペアレンタルコントロールで防止はできないかとも思います。

定期的に親子で話し合い、ルールの見直しを

――最も多い破られるルールが「利用時間」ですが、率直に言ってちょっと可愛い気がします。次に多いのが「食事中の利用」だし、それ以外は1割以下とあります。やはり、「利用時間」は親にとって一番の心配事でしょうか。SNS上でのトラブルのほうが心配な気がしますが。

水野一成さん 破られてしまうルールと、親が心配することは別と考えています。【図表4】の通り、「楽しい」「暇つぶし」「友達との関係」でついつい、使い過ぎてしまう(ルールの時間を超過する)ことが生じているようです。その一方で親の心配は「健康面」や「不適切な利用(個人情報関連を含む)」など多岐に及んでいます。

当研究所の調査では、親の心配事のトップスリーは「長時間利用による健康への悪影響」「常にスマホ・ケータイの利用を優先し、いつも視聴しているスマホ依存」「LINE、メール、掲示板への投稿の内容により友だちとトラブルになること」です。

――夏休み前に親子で話し合おうと呼びかけていますが、具体的にはどう話せばよいのでしょうか。小学低学年、小学高学年、中学生向けとそれぞれアドバイスがあればお願いします。

水野一成さん まず、学年問わずスマホを持たせた時、あるいは貸与して利用させ始めた時、単に渡すだけ、ペアレンタルコントロールを設定するだけ、ではなく、親子で話し合いルールを設定することが大切と思います。

そして、一度作ったルールが形骸化しないよう、定期的な見直しが必要です。特に生活時間が大きく変わる長期休みや学年・進学のタイミングはその機会かと思います。

NTTドコモでは「スマホ・ネット安全教室」(※)を開いていますので、ぜひお子さまとのルール作りの参考にしていただきたいと思います。

(※)参考:「スマホ・ネット安全教室

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

姉妹サイト