もうすぐ夏休み。小中学生の子どものスマホ利用機会が大幅に増える時期だ。
だからこそ、NTTドコモの研究機関、モバイル社会研究所(東京都千代田区)では、「夏休み前に『スマホの利用ルール』親子で話し合いませんか~小学生高学年の約6割がスマホの利用ルールを破ってしまう」(2024年7月10日付)と呼びかけている。
子どもとどんな話し合いをすればいいのだろうか。調査担当者に聞いた。
ルールを破る子どもが一番多いのは、小学高学年
モバイル社会研究所の調査(2023年11月)は、関東1都6県の小学生および中学生とその親600人が対象だ。
まず、小中学生にスマホを持たせている親に、子どもとどんなルールを結んでいるかを聞いたのが【図表1】だ。
みんなしっかりルールを決めており、1つもルールを設定していない親は、小学校低学年は0%、高学年でも1%、中学生になっても5%と少ない。
学年を問わず、料金・課金に関する項目の割合が高い。小学生では時間・場所のルール、中学生になると、SNSを使い始めるので個人情報に関するルールが上位にくる。
親に、子どもが設定したルールを破り、困った経験があるかを聞いた【図表2】。小学生高学年が約6割(58%)と最も高い。
別の調査では、スマホを持たせ始める子どもの平均年齢は10.6歳で、小学生高学年が最も多い。スマホを使うのが面白くて仕方がない時期だから、ついつい使い過ぎてしまうようだ。
破られてしまうルールで最も多いのが「利用時間」で、小学高学年では半数(49%)に達する【図表3】。次に多いのが「食事中は使わない」というルール(16%)だが、そのほかのルールで破られた経験は、いずれも1割以下だった。
スマホを使い過ぎてしまう理由のトップは「楽しくてやめられない」。次に「暇つぶしのため」だが、学年が上がると、友だちに関する理由が増えてくる【図表4】。