酷暑の夏イベントに備えて「熱中症保険」急成長 LINEヤフーやドコモが参入、救急搬送や入院に対応

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   2024年も暑さが厳しい夏になりそうだ。7月7日には、静岡県で今年初の最高気温40度を観測。気象庁が7月16日に発表した「高温に関する関東甲信地方気象情報」によると、関東甲信越地方は19日から23日頃にかけて、最高気温が35度以上になるところがある見通しだ。高気圧に覆われ、晴れる日や暖かい空気が流れ込む日があるためだ。熱中症への警戒が必要になりそうだ。

   そのような中、「酷暑」への備えとして、熱中症になってしまった際に見舞金を受け取れる保険が、SNSで注目を集めている。J-CASTニュースはこうした「熱中症保険」を扱う2社に話を聞いた。

  • 猛暑日(イメージ)
    猛暑日(イメージ)
  • PayPayほけん・期間選択型プランの保険料と補償内容(PayPayほけんのウェブサイトより)
    PayPayほけん・期間選択型プランの保険料と補償内容(PayPayほけんのウェブサイトより)
  • PayPayほけん・月額型プランの保険料と補償内容(PayPayほけんのウェブサイトより)
    PayPayほけん・月額型プランの保険料と補償内容(PayPayほけんのウェブサイトより)
  • NTTドコモの保険料と補償内容(NTTドコモのウェブサイトより)
    NTTドコモの保険料と補償内容(NTTドコモのウェブサイトより)
  • 猛暑日(イメージ)
  • PayPayほけん・期間選択型プランの保険料と補償内容(PayPayほけんのウェブサイトより)
  • PayPayほけん・月額型プランの保険料と補償内容(PayPayほけんのウェブサイトより)
  • NTTドコモの保険料と補償内容(NTTドコモのウェブサイトより)

コミケへの備えとしてXで注目広がる

   熱中症をめぐっては、24年度から、環境省と気象庁が発表する熱中症警戒アラートにより強く警戒を呼びかける「熱中症特別警戒アラート」が追加されるなど、国も警戒態勢だ。しかし、夏はお祭りや花火大会、音楽フェス、そして同人誌即売会「コミックマーケット」(コミケ)など、野外のイベントが多く控えている。SNSでは、8月11~12日に開催されるコミケへの参加の備えとして「熱中症保険」に注目する声が広がった。

   LINEヤフーグループでZフィナンシャル傘下のPayPay保険サービスが運営する「PayPayほけん」の「熱中症お見舞い金」は、熱中症により病院で点滴治療を受けた場合や入院した場合に見舞金を受け取ることができる。請求には診断書は不要だ。1日100円から加入できる「期間選択型プラン」と、月200円から加入できる「月額型プラン」がある。キャッシュレス決済アプリ「PayPay」から申し込める。受け取れる見舞金はプランにより異なるが、治療保険金が最大1万円、入院保険金が最大3万円だ。

   LINEヤフーのコーポレートPR部の担当者によると、「熱中症お見舞い金」は22年4月に販売開始。熱中症に特化した保険としては業界初だとしている。

   「熱中症は毎年多くの方々が影響を受ける深刻な社会課題となってきています。PayPayほけんでは、この課題に対して何かできることがないかと考え」販売を始めたと説明した。

   契約数については、「順調に増加しています。7月時点では前年比3倍ペースで伸びてきています」としている。

   実際に見舞金を受け取った人からはSNSで、「迅速な保険金請求ができて非常によかった」「特別な診断書はいらず、診療時の領収書と診療明細書の写真を送るだけで、入金もとてもスムーズだった」といった感想が寄せられているとした。

「約半数は申込者の子どもや配偶者、親など家族のための契約」

   SNSではコミケに向けて加入を勧める声が広がっているが、実際にはこうしたイベントに向けての加入者は多いのか。LINEヤフーの担当者は、「具体的なリサーチは行っていませんが、X(旧ツイッター)などのSNSでは、フェスのような大規模イベントに参加する方々から加入したというコメントが散見されています」という。

   一方で、実際の加入傾向としては、「約半数は申込者の子どもや配偶者、親など家族のための契約で、申込者本人のための加入だけでなく、子どもの部活動に備えたり、遠方に住む高齢の家族のために加入したりするケースも多くみられます」と明かした。

   「酷暑」に向け注目が集まっていることに、

「この商品が注目を集めていることは、ニーズに寄り添ったサービスとして評価をいただいていると認識しています。熱中症患者が増えないことを願いつつ、今回のコミケの事例のように、保険があるからこそ不安を感じずに積極的にやりたいことが実現できる暮らしを提供していければ幸いです」

とコメントした。

NTTドコモの加入傾向は長期間&幅広い年齢層

   NTTドコモでも、6月27日から「ドコモの熱中症お見舞金保険」の提供を開始した。NTTドコモの広報担当者は取材に「昨今の熱中症への関心の高まりを踏まえ、お客さまの身近なリスクへの備えをご提案するために提供開始することといたしました」と説明した。

   最短1日80円から、最長で120日間加入でき、熱中症となり「救急搬送されたとき」「医師等の判断により病院等で点滴治療を受けたとき」「その治療のために2日(1泊2日)以上の入院をしたとき」、診断書の提出を前提に見舞金を受け取ることができる。プランにより異なるが、救急搬送見舞金が最大1万円、治療保険金が最大1万5000円、入院保険金が最大5万円となる。キャッシュレス決済アプリ「d払い」上で、申し込みや保険金請求の手続きができる。

   NTTドコモの広報担当者によると、「救急搬送されたご本人だけでなく、同行者の方でもお支払いされたお見舞金をご利用できます。(同行者の方のタクシー代としてご利用いただくなど)」。

   提供開始から半月余りだが、申し込み状況は。広報担当者は「具体なお申込み件数については回答を差し控えさせて頂きますが」としつつ、「提供開始後、間もない中でもX等のSNSを中心に、想定を超える多くの反響を頂いております」と明かした。

   加入傾向については、事前の想定では「イベントごとに日単位で」の加入が多いと見込んでいたものの、「連日の猛暑により、90日、120日といった長期加入期間を選択される方」が比較的多いと明かす。

   また、年齢層についても「お子様と一緒にご家族で加入される方が多い」と想定していたが、「幅広い年齢層の方にご加入頂いております」という。

「お出かけやイベントが多いシーズンの、みなさまの心強いお守りとなるよう『ドコモの熱中症お見舞金保険』をご用意いたしました。熱中症は誰にでも起こりうる、夏の身近なリスクです。熱中症対策の1つとして、ぜひ本保険をご活用いただけたらと思います」

とコメントした。

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