ソフトバンクが2024年7月16日のロッテ戦(ZOZOマリン)で4-1と快勝。好調の2位・ロッテを再び7ゲーム差に突き放した。
エース・有原航平が7回無失点の好投で、4番・山川穂高は決勝打を含む今季3度目の猛打賞と、投打の大黒柱が活躍した。
本塁打数はリーグトップだが、確実性に課題
打撃の状態がなかなか上がってこない山川が快音を響かせたのは、チームにとって明るい材料だ。
FA移籍1年目の今季は打率.226、14本塁打、53打点。本塁打数はリーグトップだが、確実性の低さが課題だった。
この試合では初回に左越の安打を放つと、3回も中越え二塁打。0-0の5回一死二、三塁の好機で左中間へ先制の2点二塁打を放った。
軽くスイングしているようにみえるが、打球が飛んでいく。ミートポイントで試行錯誤していたが、この試合では自分の間合いきっちり捉えていた。
「気持ちが乗ればガンガン打つタイプ」
手ごたえをつかんで精神的に楽になったのだろう。お立ち台では久々に独特の山川節がさく裂した。
5回の先制打を聞かれ、「こういう意識っす、こういう」、「あのぉ、何て言えばいいんだろう。お尻から、こうッス」と体を動かしながら、体重移動について技術論を伝えようとしていた。
打球が左中間を抜けた瞬間の心境を聞かれた際は、「ああ、二塁いかなきゃみたいな感じです」と答えて、スタンドから爆笑が。
もっとも、「うれしいんですけど、もっともっと打点を稼げるように明日から頑張ります」と気を引き締めていた。
西武時代から山川を知るスポーツ紙記者は、
「ソフトバンクで活躍してもお立ち台でどこか遠慮気味だったが、今日は山川らしさが出ていた。打撃で感覚をつかんだのでは。気持ちが乗ればガンガン打つタイプなので、これから爆発する予感がします」
と期待を込める。
7月は4勝8敗と首位快走の勢いに陰りが見えていたが、17日の首位攻防戦・ロッテ戦で5カードぶりのカード勝ち越しを決めて、再び上昇気流に乗れるか。
4番の山川にかかる期待は大きい。(中町顕吾)