「やりたくない仕事」やらせるのはパワハラ? 女性管理職の経験「過大な要求、精神的な攻撃と言われ...」

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   上司から「やりたくない仕事」を振られたらどうするか――。サラリーマンなら気になる調査結果が発表された。圧倒的に多かったのは「引き受ける」で69.8%。2位の「理由をつけて断る」の10.8%を大きく引き離している。

   「やりたくない仕事」はどんなものか(複数回答)を尋ねると、「時間がかかる仕事」が回答者500人中110人、「苦手/強みを活かせない」が同86人、「メンタルを削られる」が同60人、「責任・プレッシャーが大きい」が同57人だったという。

  • 上司から「やりたくない仕事」を振られたらどうするか
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女性部下「私がつらいことなんて予想できるのに」

   この調査は、人材派遣業・コンサルティング業を営むR&G(さいたま市)が、社会人男女500人を対象にインターネット上で実施したもの。

   「やりたくない仕事を乗り切る方法」(複数回答)について尋ねたところ、「自分へのご褒美を決める」が73人、「さっさと終わらせる」が60人、「仕事だからと割り切る」が56人だった。また、「成長につながると考える」というポジティブ派は48人、「周囲に頼る」というちゃっかり派も44人いた。

   この結果について、都内企業で中間管理職として働く40代女性のAさんに聞くと、「最近は部下に『やりたくない仕事』を振るにもかなり神経を使うんですよ」と明かした。

「実は若い女性部下に未経験の仕事を振ったときに、『パワハラだ』と言われて総務に駆け込まれたことがあるんです。そんなわけあるかいと思ったんですが、厚生労働省のガイドラインに当てはまっている、とまで言われて困惑しました」

   当てはまるとされたパワハラ類型は「過大な要求」。厚労省のパンフレットには「終業間際なのに過大な仕事を毎回押し付けられる」「1人ではできない量の仕事を押し付けられる」「達成不可能な営業ノルマを常に与えられる」といった例があげられている。

「加えて『精神的な攻撃』にも当たると言われたんです。『そんな仕事を振られたら私がつらいことなんて予想できるのに、分かっていながらわざとやった』ですって」

   同パンフの「精神的な攻撃」の項には「同僚の前で、上司から無能扱いする言葉を受けた」といった例があげられている。その部下には、未来の仕事の失敗と上司からの叱責が見えてしまっていたのか。

「成長につながると考える」は正しい判断

   結局、会社はパワハラ認定をしなかったが、Aさんの部下に対する「新しい仕事」への指示命令も取り消すことになったという。

   そんな経験をしたAさんは、調査結果で7割の人が「やりたくない仕事でも引き受ける」と答えたことに「偉いですね。いや当たり前かな」と安心し、「やりたくない仕事って後から考えると、けっこう大事なんですよ」と振り返った。

「違法行為や倫理にもとること、無意味な仕事などは別ですが、一般的にやりたくない仕事って、時間がかかったり苦手でメンタルを削られたりするのも、単にやり慣れていないからという理由が多いんですよ。つまり慣れの問題が大きくて、一度やって慣れてしまえば何ということもなくなることもある」

   それまでできなかった仕事が「慣れ」によって、スピーディにこなせるようになったり、苦手意識がなくなったり、メンタルに影響を与えなくなったりする。

「昨日できなかったことが明日できるようになるって、まさに成長じゃないですか。その意味で『成長につながると考える』と答えたポジティブ派はけっこう正しいと思います」

   またAさんは「周囲に頼る」と答えた「ちゃっかり派」にも共感するという。

「ようするに慣れない仕事がつらいんだから、すでに経験している人に話を聞くのは手っ取り早いですよね。一番やりがちで避けるべきなのは、やり慣れないことをひとりで抱え込んで時間ばかりすぎてしまうこと。こうなったらメンタルが削られます」
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