「どのような懲戒処分もお受けします」 部下の「大失敗」で役員室に謝罪へ...そこで受けた「衝撃の言葉」

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「いま、君が一番ためされているんだ」

「わかるよ。うちの会社としても、相応の対応が求められる事案だからね。でも、君も君の部下も、意図して会社に不利益行為を働いたわけじゃないだろう。懲戒云々なんて、先走りして考えるんじゃない」(Aさん)

   Sさんにとって、Aさんは若手時代からの上司部下の間柄。仕事には苛烈な厳しさを持ちながらも、人に対するあたたかい眼差しを持ち続けるAさんは、第二の親父のような存在。

   この非常事態においても動じることなく、変わらないAさんの言葉に、Sさんは胸が詰まって何も言えませんでした。

   そして、部下の気持ちなど考える余裕もなく、ただただ失敗の責任を自身がどう取るべきかしか頭になかった自分に恥じ入るばかり...。

「おいおい。いまチームを率いる君が一番試されているんだそ。専務と社長には私から報告入れておくから、上は気にしなくていい。現場に戻って、事後対応を急ぎなさい」(Aさん)
「は、はい。有難うございます...チームに戻って...」(Sさん)

   Sさんは、熱い涙が込み上げて、最後まで言葉を続けられません。

「よろしく頼むぞ。Oさんたちは、自分たちの失敗については、もう十分に反省しているはずだ。それでいいじゃないか。今からはお客様への誠意ある対応に専念すること。そして、二度と同じミスを繰り返さないことだ。私のほうからも、後ほど取引先トップと関係部署の担当役員など、しかるべきところにお詫びの連絡を入れておくよ。来週の役員会で話すから、その準備打ち合わせは明日やろう」(Aさん)
「ありがとうございます。 よろしくお願いいたします!」(Sさん)

   もう一度深々と頭を下げると、Sさんは頬を熱くしながら、役員室を後にしました。

   叱責とは正反対のAさんの意外な言葉と懐の深さに、人を活かすマネジメントの真理を学んだ思いでした。

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