美容外科「高須クリニック」名古屋院院長の高須幹弥氏が2024年7月11日に公開したYouTube動画で、広島高裁が10日に、性器の外観を変える手術をせず戸籍上の性別変更を認める決定を下したことについて「個人的には賛成」だとする見解を披露した。
「今回の判断は正しいかなって思います」
高須氏は前提として、見た目を男性器から女性器に変えるのは「命がけの手術でもある」などと現状を説明したうえ、「辛口の意見もあると思うんですけど、僕は今回の判決は個人的には賛成ですね」「今回の判断は正しいかなって思います」とした。
性同一性障害特例法では、性別変更のためには5つの要件を満たす必要があるとされている。そのうちのひとつが「変更後の性器部分に似た外観を持つ」(外観要件)というもので、これが合憲かどうかで争われていた。
複数報道によると、広島高裁は10日、性同一性障害の当事者が戸籍上の性別を男性から女性に変更するよう求めた差し戻し家事審判で、申立人には「身体各部に女性化が認められる」とし、前出の外観要件は「違憲の疑いがあるといわざるを得ない」と判断。手術なしでの性別変更を認めた。
高須氏は「見てないから分からないですけど」と強調したうえ、今回の申立人に関しては、ホルモン治療を受けるなどして性器の形が著しく変わったものと推測。もし明らかに男性器の見た目をしていれば、今回の広島高裁の判断はなかったとみる。
また、手術をしなくても見た目が女性器に近づき、女風呂に入った時に他の客から男性器がついていると思われないような状態であれば、「まぁ良いんじゃないかなって僕は思いました」とした。
「女性を守るってことも大事」「どこで線引きするか」
一方で高須氏は、今回をきっかけに今後状況が変わり、男性器の見た目を持ちながら性別変更が認められるようになり、かつ当事者が権利を主張して女風呂や女性トイレといった施設を利用したりスポーツの女性選手枠に進出したりするのではないか、と懸念が出ていることにも理解を示した。そこで、
「やっぱり女性を守るってことも大事なわけであって。もちろんトランスジェンダーの人たちの権利を守ることも大事なんですけど。どこで線引きするかってなると」
「見た目の外性器が、男性器っぽくないっていうのは僕は必須だと思います」
と述べた。その場合は法律とは別で各所が定める形になるだろうとし、「男性器を見せつけられるのが嫌っていう人の、女性の権利を守るってことは重要だと思います」と結んだ。