日本大学は2024年7月12日、同大「重量挙部」で10年間にわたる金銭不祥事があったと、公式サイトで発表し、謝罪した。部員への被害回復に向けた手続きを開始したとしている。
免除額にあたる金額を現金化、多くを私的に使用
発表によると、金銭の不祥事があった期間は2023年12月までの10年間だ。11年以上前にも同様の違法行為がなかったのか、調査を継続していると報告している。「被害者及び保護者の皆様に対して深くお詫び申し上げるとともに、本学として被害回復に向けた手続きを開始致しました」としている。
不祥事で被害を受けたのは、入学金や授業料の全部又は一部を免除されている奨学生の部員。重量挙部の幹部A氏が、部内に指示し、「奨学金制度による納付金の免除は2年目からである」などと虚偽の記載が書かれた入学案内および納付金の請求書を、奨学金制度の対象である新入学・入部予定者の保護者に送り、重量挙部の金融機関の口座に振り込ませた。
振り込まれた金額のうち、免除額にあたる金額を現金化し、その多くを私的に使用していたことをA氏が認めているという。学内で保管していた現金は、すでに大学側に返還したとしている。
24年度から入試制度全般を改革
日大は、違法行為の疑いを察知した後に、外部の弁護士に依頼し、A氏や関係者に対する事情聴取などの調査を進めてきたと説明。A氏に対する責任追及の手続きも開始しているとしている。
日大では、24年度からは、すでに入試制度全般の改革を実行したと説明。競技部が大学の代わりに納付金を受け取ることができないようになっているという。23年度からは競技部の会計管理の刷新を含めた競技部の改善方策を進めているとし、この方策をさらに浸透させて再発防止に注力するとしている。